もくじ
1. クミンとは?
2. クミンの料理での使い方は?
3. クミンの効果効能とは?
4. クミンは摂りすぎ注意?副作用は?
5. 代用品
6. クミンを使ったレシピ2選
7. クミンでいつものおかずが大変身!
クミンとは?
![露店にならぶスパイス](https://img-5pmjournal.0101.co.jp/v=1712050159/files/topics/1197_ext_08_1.jpg?width=647)
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所のサイトによると、クミンはエジプト原産で、南ヨーロッパやアジアでも栽培されている植物です。現在では、イランを筆頭にインドやトルコでも多く生産されています。
クミンの花は白やピンクで、スパイスとして知られているのは細長い形の種子の部分です。花が咲いたあと、晩夏に実が成熟します。種子の大きさは、長さが5mm程で幅が1mm程です。
クミンは刺激性のある苦めの香りで、カレー粉やチリパウダーを作るときに必須のスパイスです。カレー以外にもスパイシーな料理や肉料理で活躍しています。
クミンってどんな味・香り?
クミンシード、つまりクミンの種子を数粒口のなかに入れて噛みしめると、まず始めにミントのようなスッキリ感が得られます。それから、苦味、えぐみのようなものを感じるでしょう。口のなかには、何とも言えない独特の香りが残ります。ちょっと漢方薬っぽい味と香りかもしれません。
市販されているクミンには、形状がホールのものとパウダーのものとがあります。ホールはクミンの種子が丸々そのままパッケージされていて、商品としてはクミンシードという名称で売られています。続いて、クミンシードとクミンパウダーの違いについて解説していきましょう。
クミンシード
クミンの種子を摘み、乾燥させてスパイスとしたものをクミンシードと呼びます。クミンシードは、油で炒めて香りを移して使う、スタータースパイスとして活用されます。炒めるときは、低温の油でじっくりと炒めると、良い香りが油につきます。クミンの香りのついた油で肉や根菜を炒めると、とてもおいしいですよ。
クミンシードを使ったほうが、クミンパウダーを使うよりも香りが料理に残ります。クミンシードを活かしやすい料理として、煮込み料理や炒め物、揚げ物などが挙げられます。パンを作るときに生地に混ぜ込むと、大人好みのアクセントが効いたパンになり、おすすめです。
クミンパウダー
クミンパウダーは、クミンシードを挽いて粉末状にしたもので、汎用性が高いスパイスです。根菜類や肉類と相性が良く、素材の下ごしらえの段階でまぶしておくのもおすすめです。肉の臭み消しにも活躍します。
パウダーは、仕上げ用として使うのも効果的です。料理を皿に盛り付け、最後にクミンパウダーをひと振りすれば、クミンの香り高い料理を楽しめます。クミンシードをスタータースパイスとして使い、仕上げにパウダーを振るという贅沢な使い方なら、クミンの香りをたっぷりと感じられるでしょう。
クミンの料理での使い方は?
![スプーンに乗ったクミンシード](https://img-5pmjournal.0101.co.jp/v=1712050159/files/topics/1197_ext_08_2.jpg?width=647)
クミンは、実はとっても使える便利なスパイスです。一家に一つ置いておくと、さまざまな活用ができますよ。クミンは肉だけではなく、野菜とも相性の良いスパイスです。野菜のうまみを引き出せるスパイスなので、ヴィーガンからも注目されています。
気になる人は、ぜひ「ヴィーガンとは?実践目的やベジタリアンとの違い、注意点を解説」もチェックしてみてください。
続いては、クミンを料理にどうやって使うと良いか、その方法をお伝えします。
カレースパイスとして
カレールーを使ってカレーを作る場合、クミンをスタータースパイスとして使うといつもよりも本格的な味と香りのカレーを楽しめますよ。
まず、少量の油にクミンシードを入れて、香りが立つまで炒めます。そして、切った肉と野菜を入れて、さらに炒めましょう。その後は、いつものカレーの作り方でOKです。
長時間煮込むと、クミンの香りが弱まるので、クミンの香りを満喫したい人は仕上げにクミンパウダーを振り入れて香りを足してみてくださいね。
ソーセージやハンバーグなどの肉料理に
クミンを肉料理に使うと、肉の臭みを消すとともにエスニック料理のテイストを楽しめる料理になります。
たとえば、じゃがいもとソーセージを一緒に炒めるというシンプルな家庭料理でも、クミンを加えて炒めると、普段とは違う魅力を楽しめます。ハンバーグのタネに入れればトルコ料理のようになりますし、唐揚げやフライドチキンのつけダレにクミンを入れると、ビールによく合うおかずになりますよ。
いつもの料理へのちょい足しに
冷蔵庫にあるもので、簡単に作れる野菜炒めは重宝する定番レシピですが、マンネリ化しやすいと感じる人もいるでしょう。そんな野菜炒めも、クミンを加えて炒めれば一気にエスニック料理のようになり、いつもと違う雰囲気の料理に早変わりするでしょう。
定番料理といえば、ポテトサラダに加えるのもおすすめです。クミンはじゃがいもとの相性が良いので、老若男女が楽しめるいつものポテトサラダが、一気に大人な雰囲気に早変わりしますよ。
クミンの効果効能とは?
![スパイス色々](https://img-5pmjournal.0101.co.jp/v=1712050159/files/topics/1197_ext_08_3.jpg?width=647)
クミンは、味覚的に刺激を与えるだけではなく、身体にもさまざまな良い影響を与えてくれるスパイスです。その影響は、美容や便秘解消、冷え対策など多岐にわたります。また、ビタミンA、B2、B6、C、Eなどビタミン豊富なので、身体への良い影響も期待したいですね。
消化促進効果
クミンの持つ「クミンアルデヒド」という香り成分は、消化酵素を活性化させる働きがあるといわれており、クミンを摂ることで消化促進効果が期待できます。また、クミンは肝臓から分泌される胆汁の分泌促進にも一役買っているとか。胆汁は、脂肪の分解と吸収を助け、消化促進に導くものです。
さらに、クミンの成分が胃腸で発生するガスを抑え、胃腸の調子を整えてくれるといううれしい効果もあるようです。過敏性腸症候群を改善させる効果がある、というアメリカの研究結果も発表されています。クミンは「体は小さいけれど、頼れる力持ち」ですね。
抗酸化作用
フィトケミカル(ファイトケミカル)という言葉に聞き覚えのある人もいるでしょう。フィトケミカルは、近年「第七の栄養素」とも言われており、特に抗酸化作用が期待されています。
抗酸化作用といえば、アンチエイジングを志す人にとって大切なキーワード。クミンにもフィトケミカルが含まれていることから、抗酸化作用に優れた食品だと言われています。
また、フィトケミカル以外にも、クミンにはビタミンCやビタミンEといった、抗酸化作用のある栄養素が含まれています。クミンは、アンチエイジングの味方になってくれそうですね。
リラックス効果
クミンに含まれる香り成分の一つに、リモネンと呼ばれるものがあります。名前からしても柑橘類に親和性がありそうですが、実際その語源はレモンに由来しています。
クミンの香り成分の一つであるリモネンは、体内に吸収されると脳内にα波を出現させる成分です。α波といえば、脳がリラックス状態にあるときに出ると知られていますよね。つまり、クミンの香りを堪能することで、リラックス効果が得られるということです。まるで、アロマオイルのようですね。
ダイエット効果
クミンには、中性脂肪を分解して脂肪を燃焼させたり、コレステロール値を下げる働きがあることがわかってきました。特に、悪玉コレステロール値の高さは肥満とも関係があるため、ダイエットを意識するならばコレステロール値を下げる食事が大切です。そこに、クミンの摂取が一役買うようです。
クミンのダイエット効果について、イラン・シャヒード・サドゥイ医科大学で行われた研究(※)が「Complementary Therapies in Clinical Practice」2014年11月号に掲載されました。その研究では、過体重/肥満の女性88人をランダムに2つのグループに分けて、3ヵ月間クミンパウダー入りのヨーグルトを食べる集団とクミンパウダーなしのヨーグルトを食べる集団とに分けました。結果として、クミン入りヨーグルトを3ヵ月間食べ続けたグループのほうが、体重と体脂肪率の減少が大きく、悪玉コレステロール値も下がっていたそうです。
※出典:「Effect of cumin powder on body composition and lipid profile in overweight and obese women」|Complementary Therapies in Clinical Practice Volume 20, Issue 4, November 2014
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1744388114000668(2024年3月6日)
クミンは摂りすぎ注意?副作用は?
![クミンシード](https://img-5pmjournal.0101.co.jp/v=1712050159/files/topics/1197_ext_08_4.jpg?width=647)
クミンには、はっきりとした摂取量の上限はありません。自宅で使用する際は、自分の体調を見ながら、コントロールしましょう。
とはいえ、好き放題食べても問題がないわけではなく、気をつけるべき点はあります。続いて、クミンの摂取についての留意点を詳しく解説していきましょう。
セリ科の植物にアレルギーがある人は注意を
クミンは、セリ科の植物です。セリ科の植物にアレルギーをお持ちの人は、クミンの摂取を控えてください。摂取した場合、じんましんやのどのかゆみ、舌のしびれ感や呼吸困難、アナフィラキシーショックなどの症状が出ることがあります。
ちなみに、セリ科の植物には家庭でよく使われる食材も含まれています。ニンジン、セロリ、パセリ、ミツバもセリ科です。ハーブとして重用されているものもあり、ディルやチャービル、イタリアンパセリ、フェンネルやカレーにもよく使われるコリアンダーもセリ科です。
過剰摂取にも気を付けて
クミンに含まれる香り成分であるクミンアルデヒドが、消化酵素の働きを強めるとお伝えしました。それはすなわち、胃酸の働きを強めることを意味しています。強い胃酸は胃を荒らす可能性があるので、胃の弱い方はクミンを摂りすぎないように注意しましょう。
特に、まだ幼い子どもや妊娠中の女性は、気を付けてください。妊娠中の女性は、お腹を壊して下痢をすると、子宮の収縮が起こります。子宮が収縮すると、早産や流産の可能性が生じるため、気を付けるに越したことはないでしょう。
また、クミンは香りの強いスパイスなので、継続的に大量摂取し続けると体臭がきつくなる可能性もあります。気になる人は、摂取量をほどほどに控えましょう。
クミンの代用品とは?
![スプーンに乗ったスパイス各種](https://img-5pmjournal.0101.co.jp/v=1712050159/files/topics/1197_ext_08_5.jpg?width=647)
クミンを使いたいと思っても、家にない場合もあるでしょう。そのようなときに、代用品として使えるものをご紹介します。
・ナツメグ
・ガラムマサラ
・フェンネル
まず、ナツメグです。ナツメグは、クミンと同様に肉と相性の良いスパイスで、臭み消しに使われることも多いでしょう。ただ、クミンと違って甘みが出るスパイスなので、気になる場合はにんにくや生姜と合わせて使うのがおすすめです。
ガラムマサラはミックススパイスです。シナモン、クローブ、ナツメグをベースとしつつ、メーカーによってはそのほかのスパイスも組み合わせられています。料理が風味豊かに仕上がるスパイスなので、一つ常備していても良いかもしれません。
フェンネルは、クミンと同じくセリ科の植物です。種子の見た目も、とてもよく似ており、クミンのようなスパイシー感もあるので、代用品として適しています。フェンネルも、消化促進の効果があるとされており、インドでは食事の最後の口直しとして出されたり、レストランではテーブルのうえやレジ横でお皿に乗せられていたりします。
クミンを使ったレシピ2選
![様々な食材](https://img-5pmjournal.0101.co.jp/v=1712050159/files/topics/1197_ext_08_6.jpg?width=647)
クミンを使って料理、と考えると少し構えてしまうかもしれませんね。でも、実はいつも作っている料理に少し足すだけでもいいんです。続いては、簡単に作れるクミンを使った料理をご紹介します。
クミンのキャベツ炒め
クミンを使うと、おなじみの食材で作る料理も、ちょっと違うテイストになって楽しめます。
【材料】
・クミンシード
・キャベツ
・塩、こしょう
【作り方】
1.キャベツを一口大に切っておく
2.フライパンをあたため、サラダ油を入れる
3.クミンシードを入れ、香りが立つまで炒める
4.キャベツを入れて炒め、クミンシードと絡ませる
5.塩、こしょうで味を調える
とてもシンプルなレシピで簡単に作れるので、あと一品ほしいときにもぴったり。キャベツのみで作るので、ヴィーガンの方にもおすすめですよ。
アンチョビを加えると、さらに大人っぽいメニューになり、お酒のつまみとしても最適です。
クミンのコンビーフ炒め
玉ねぎ+じゃがいも+肉という鉄板コンビネーションに、クミンを掛け合わせると……最高の一品のできあがり!です。
【材料】
・玉ねぎ
・じゃがいも
・コンビーフ
・クミン
・バター
【作り方】
1.玉ねぎは皮をむき、じゃがいもは皮つきのままで柔らかくなるまでレンジで加熱する
2.玉ねぎは細切りに、じゃがいもは食べやすい大きさに切る
3.フライパンを熱し、バターとクミンを入れて加熱する。焦げる前に2とコンビーフを適量加える
4.バターが食材にいきわたったら、塩、こしょうで味を調えて完成
じゃがいもをレンジで加熱することで時短にもなります。日持ちのする根菜類とコンビーフで簡単にできるので、お買い物に行けなかった日にも気軽に作ることができるでしょう。
クミンでいつものおかずが大変身!
![主要スパイス各種](https://img-5pmjournal.0101.co.jp/v=1712050159/files/topics/1197_ext_08_7.jpg?width=647)
クミンには、やっぱり人を虜にする魅力があります。鼻で、口で楽しめるだけではなく、食べることで身体にも良いことがいろいろとあるなんて、最高ですよね。筆者も小皿にクミンを出して、この記事を書きながら匂いを嗅いだり、噛みしめたりしていましたが、ついつい止まらなくなってしまうんです。摂りすぎ注意なので、気を付けなければいけませんね。
5PM Journalは「新たな気づき」を大切にしています。さまざまなジャンルの偏愛者が語る、ちょっと濃厚なコラムを、自分時間にお楽しみください。
【参考サイト】
https://online.santarosa.jp/blog/srblog41/
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/pdf/k235.pdf
https://www.fromcocoro.com/kaori/article/12255
https://www.sbfoods.co.jp/recipe/pickup/detail/012.html
https://www.kurashiru.com/articles/6069f150-0844-4936-b056-19652311dbb8
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https://delishkitchen.tv/articles/183
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https://www.olive-hitomawashi.com/column/2023/03/post-18408.html