Ana Popescuは、複数の表現方法を用いて異なるテーマや空間の認識を探求する、ルーマニア生まれのフランス人ビジュアルアーティスト兼イラストレーター。その作品は、シンプルなフォルム、歪んだ遠近法、光、影、強い色の組み合わせが特徴です。
ニューヨーク・東京・上海・パリ、ロンドンのGriffin Gallery、ウィーンのWittgentstein Hausで作品を展示するなど、世界で活躍しています。
今回発売されたDeCasaオリジナル作品は7点で、テーマは「Les Vacances（バカンス）」。休暇先のフランス、イタリア、オーストリアで訪れた場所や目を引いた建造物など、つい見落としてしまいそうな儚い瞬間を「大胆な色使い」「影」「光」で表現しています。
日常の何気ない瞬間や見慣れたものでも物の捉え方次第で、美しい瞬間に一変することを感じさせてくれるコレクションです。
DeCasaのために描いた作品集は、昨年の夏に訪れた様々な場所のビジュアルダイアリーです。光と影を使い、想い出の中にある情景と共に儚い夏の気持ちを表現しています。今回「豊島」と「直島」を訪れましたが、昔ながらの街並みや美術館、自然がミックスされていて、あらためて美しさに感動しました。松戸のParadise Airというアーティスト・イン・レジデンスでお世話になった場所や日本中を巡る中で、素敵な人々に出会えたことも想い出です。銭湯や温泉も最高でした！
私は「現実」と「歪み」の間で作業をするのが好きで、自分の作品にシュルレアリスム的な側面を持たせています。なので、日常の風景である「木の影」など、ありふれた景色の中に美しさや特別な瞬間があることを伝えたいです。
日本を訪れることを毎回楽しみにしているので、「DeCasa」とコラボレーションできるのが光栄です。日本の美学からは常にインスピレーションをもらっているので、すぐにまた日本へ戻ってきたいです！
Cinzia Franceschiniは、イラストレーションや手刺繡を通して様々なコンセプトや感情をシンプルな形で表すイタリア・ローマ在住のアーティスト。大学でイタリア文学を学んだ後ジャーナリストとして活躍し、現在はイラストレーターとして自身のブランドを運営しています。
彼女の作品の世界観はミニマル。最小限の色合いと、シンボルとなるカタチをベースとした、自然で直接的な表現を目指しています。また、作品の多くは「関係、猫、目には見えないエネルギー」など、日々の小さなミステリーからインスピレーションを受けています。
DeCasaでは、過去2回にわたりCinzia Franceschiniのコレクションを販売。
作者の趣味でもあるダイビングを通した内面的な気付きや、日々のふとした瞬間の幸せを最小限のカラーとミニマルなタッチで描いた 第一弾 に対して、第二弾では「日常の気付き」や「人間関係」、「恋愛感情」を印象的な世界観に投影しています。
DeCasaの作品集は、この2年間に描いた作品を集めたものになっています。鉛筆とワックパステルで描かれた作品、私自身のビジュアルダイアリーなど、日常生活のシーンを別次元に置き換えることで本質的かつシュルレアリスムに日常を表現しています。すべてのイラストは、言葉ではうまく伝えられない感情や概念を表現することを目的としています。
例えば、一緒に住んでいる猫を見ていて不思議に思うとき。自然の中で「完璧」だと思う形を見たとき。ボーイフレンドと予想外の経験をしたとき…個人的な経験や日常生活の中で気になった「日々の小さなミステリー」から私はアイデアを得て、表現しています。
こういった視点を持つ心がけが大切だと思いますし、日常の当たり前の中に潜む「ミステリー」や「面白み」に目を向けてみると、日常の見え方が変わります。イラストを通して自分の感情や重要だと感じたことを共有しているので、少しでも私の作品の中に「みなさん自身」を見つけていただければ嬉しいです。
DeCasaを通して、日本のどこかに私の作品を飾ってくださっている方がいる…なんて想像をするだけで誇りに思いますし、こんなに美しくインスピレーションが豊かな「日本」に近づけた気がします。
