もくじ

マクロビオティックとは?

マクロビごはん

マクロビオティックとは、健康的なライフスタイルをするための考え方です。マクロビオティックというと、食事法のことだと考える人も多いでしょう。辻調グループのサイトによると、マクロビオティックは食事法だけではなく、食生活全般に関わるもっと深い考え方、生き方を指します。

マクロビオティックとは、もともとは古代ギリシャの医者や哲学者が使っていた「マクロビオティック」という言葉から来ており、「マクロ(大きな)」と「ビオ(生命)」、「ティック(術や学)」という3つの言葉を合わせた言葉です。古代ギリシャ語を語源としており、「自然に即した命の在り方」を意味しています。

 

たんぱく質の摂取方法に特徴

マクロビオティックの大きな特徴として、たんぱく質の摂取方法があります。マクロビオティックでは、動物性のたんぱく質を控えます。たとえば、牛肉や豚肉、卵、牛乳などの動物由来のたんぱく質ではなく、植物性のたんぱく質を多く摂るようにすることが特徴です。植物性のたんぱく質とは、小麦グルテン(たんぱく質)からできた麩や、大豆などの豆類などを指します。

マクロビオティックは健康的な食生活のためのものであり、食べ物に制限はありません。肉類や卵なども完全に断たなければいけないわけではなく、たまになら摂取しても良いとされています。

 

基本食は玄米菜食

白米も日本ではメジャーな穀物ですが、白米は精米する過程で胚芽や糠などを取り除いてしまうため、食物繊維やビタミン、ミネラルなどが少なくなってしまいます。そのため、マクロビオティックでは栄養豊富な玄米や発芽玄米、雑穀が推奨されています。また、全粒粉の小麦製品もマクロビオティックで推奨されている食品です。

マクロビオティックは玄米や雑穀、全粒粉の製品など、素材のおいしさを味わうことができる食品を中心とした食生活を行うことが基本です。また野菜も多く摂取しますが、こちらも皮をむかずに丸ごと食べることも大きな特徴です。

 

食品添加物は使用しない

マクロビオティックでは、食物添加物やうま味調味料は使用しません。マクロビオティックでは、調味料を使用しすぎないことや素材そのままの味を楽しむことが良いとされています。

しかし、調味料すべての使用を控えたほうが良いわけではありません。マクロビオティックの考え方では、精製した食品を避けることが望ましいとされています。そのため、調味料を選ぶ際には精製されていないものを選ぶようにします。

たとえば、塩も未精製の自然塩を選びましょう。醤油や味噌なども、化学調味料や保存料などの食品添加物が入っていないものを選ぶことがポイントです。

 

砂糖を控える

マクロビオティックでは、砂糖を控えるという特徴もあります。砂糖を摂りすぎてしまうと、内臓を弱らせたり感情の起伏が激しくなったりするとされており、砂糖の使用を控えたほうがよいと考えられています。

特に、マクロビオティックでは白砂糖をできるかぎり使用しません。甘味料の中でも精製されている白砂糖は体を冷やすと考えられているため避けたほうが良いと考えられています。しかし、料理で甘味料が必要になるケースもあるでしょう。そのような場合には、精製されていない黒糖や麦あめ、メープルシロップなどの未精製のものがおすすめです。未精製の甘味料は白砂糖と異なり、吸収されるまでに時間がかかるため身体への影響が小さいとされています。
 

マクロビオティックの歴史

マクロビごはん

マクロビオティックは、日本発祥の考え方です。日本人の哲学者である桜沢如一(さくらざわゆきかず)が提唱した「生食」がマクロビオティックの始まりであり、この考え方がアメリカで注目され始め多くの著名人が実践しました。有名な歌手やモデルなどの著名人が実践して広めたことによって、健康への意識が高い人々や健康的な食生活を求める人などにマクロビオティックの考え方が広まっていきます。

マクロビオティックはその後、アメリカだけでなくヨーロッパなどにも広まりました。世界中で注目されさまざまな人々に実践され、最終的には日本へ逆輸入というような形で普及していったという歴史があります。

もともとは日本人が提唱し日本で生まれた考え方ですが、日本では世界よりも遅れて注目され始めました。しかし、マクロビオティックは日本人の伝統的な食生活や考え方をベースとしているため、日本人なら受け入れやすい考え方だといえるでしょう。

 

マクロビオティックの考え方

玄米

マクロビオティックを理解する上で、知っておきたいのが「陰陽調和」「身土不二」「一物全体」というキーワードです。マクロビオティックではこの3つのキーワードが考え方の基礎にあります。ここでは、3つのキーワードについて詳しく解説します。

 

陰陽調和(おんみょうちょうわ)

陰陽とは、物事には裏と表、陰と陽の両面があるという考え方です。たとえばプラスとマイナス、光と影、男性と女性、昼と夜というように、2つの相反する関係が存在しているというものです。

陰陽の「陽」は、中心に収縮していく求心的なエネルギーを、「陰」は周辺に拡散していく遠心的なエネルギーを指しています。陰と陽どちらが良いということではなく、それぞれのバランスを大切にすることが重要だというのが、陰陽調和です。陰と陽それぞれのバランスが整っている状態を維持することで、健康を保つことができるというのが陰陽調和の考え方になります。

 

身土不二(しんどふじ)

身土不二とは、身体と環境は切り離せないという意味のある言葉です。身土不二の身が「身体」を意味しており、土が「環境」、不二が「切り離せない」という意味があります。具体的には、自分の住む土地で季節の食物を食べる、その土地で採れたものをその時期に食べると体に良いという考え方です。

身土不二は、明治時代に起こった食養運動を基にした考え方のことで、マクロビオティックの発展に大きく貢献した考え方でもあります。

現代風にいえば、地産地消やスローフードが当てはまります。身土不二では特に旬のものを食べることを重視しています。旬の野菜は栄養が豊富なだけでなく、味も美味しくて値段も安くなるため、旬の野菜を上手に取り入れることが大切です。

 

一物全体(いちぶつぜんたい)

一物全体とは、食物は丸ごと食べたほうが良いという考え方です。野菜を食べる際に皮や根、葉などを省いて食べる人も多いでしょう。しかし、野菜は皮や葉などもすべて含めて生きています。食物は皮や葉、実なども含めてバランスが取れているため、それらすべてを丸ごと食べることによって身体のバランスが取れるというのが一物全体の考え方です。

たとえば、米であれば精米してない玄米のまま食べる、野菜なら皮をむかずにそのまま食べる、魚なら丸ごと食べられるシラスなどの小魚類やシシャモなどの頭ごと食べられるものを選ぶと良いでしょう。

栄養的な面でも、丸ごと食べることにはメリットがあります。玄米や野菜の皮などには、栄養が多く含まれています。丸ごと食べることによって栄養をより効率的に摂取することができるでしょう。

 

マクロビオティックとヴィーガンの違い

マクロビオティックと似た言葉に、「ヴィーガン」というものがあります。ヴィーガンとは、完全菜食主義者という意味があります。動物由来の食品を避けるのではなく、完全に摂取しないことを主義としています。また、ヴィーガンは食事内容だけでなくライフスタイルや思想なども含まれているため、食べ物だけでなく動物由来の衣類などを身につけないことを実践している人もいるようです。

対して、マクロビオティックでは食べ物に明確な制限を設けてはいません。確かにマクロビオティックでは動物性たんぱく質の摂取を控える、砂糖や食品添加物を避けるというように、避けたほうが良いものは決められています。しかし、絶対に食べてはいけないというわけではなく、自身のライフスタイルや健康状態、経済状況などさまざまな点を考慮しながら、柔軟に取り入れる食材を選べるという特徴があります。
 

マクロビオティックの効果とは?

ごはん

前述したように、マクロビオティックにはさまざまな特徴があります。実際にマクロビオティックを実施することでどのような効果が得られるのでしょうか。マクロビオティックは、身体的効果だけでなく、精神的効果や社会的効果も得られるとされています。ここでは、マクロビオティックの具体的な効果について見ていきましょう。

 

身体的効果

マクロビオティックは、精製されていない玄米や全粒粉を使用した食品、野菜などを摂ることが基本です。玄米は白米と比較するとカロリー自体に差はほとんどありませんが、栄養価が高いという特徴があります。また、精製された穀物や皮が向かれた野菜よりも自然そのものの味を楽しむことができるでしょう。

さらに、マクロビオティックを実践することで食物繊維が豊富な食生活を送ることができます。食物繊維を摂ることで腸内環境が整い、それによる美肌効果も期待できます。

また、玄米や皮をむかない野菜などはしっかり噛んで食べなければいけないため、満腹になりやすく肥満防止も期待できるといわれています。

 

精神的効果

マクロビオティックの基本は、ヘルシーで腹八分目の食事です。そのため、胃腸に負担がかかりにくく、健康的な食生活を送れます。胃腸への負担が軽減することで、ストレスに強くなったり気分が明るくなったりと、精神的な効果も期待できるといわれています。

また、玄米には精神安定効果があるとされているGABAが含まれており、ストレス軽減なども期待できます。マクロビオティックを取り入れることで健康的な食生活を送れるようになるため、心身共に健康的で活き活きした生活になるでしょう。

 

社会的効果

マクロビオティックは、地球にも優しい取り組みです。マクロビオティックでは、地産地消を基本としています。自分が暮らしている土地の近くで生産されている玄米や野菜などを食べることで、無駄な運送費や二酸化炭素(CO2)の排出、過剰梱包などを防ぐことができるため、地球環境にやさしくエコロジーにもつながります。

また、マクロビオティックは野菜を皮ごと食べるという点も特徴です。皮や葉などを捨てることなくすべて食べるため、生ごみや廃棄も少なくなります。無駄なエネルギーや資源を使用せずに廃棄を減らすことで、持続可能な開発目標であるSDGsにも貢献できます。

 

マクロビオティックに挑戦してみよう

玄米

マクロビオティックは、日本の伝統的な食生活に近い食事なので、私たち日本人にとってチャレンジしやすい食生活です。健康的で地球環境にも優しい食生活であるため、SDGsに興味のある人にもおすすめです。マクロビオティックは、ライフスタイルや健康状態などに合わせて食材を柔軟に取り入れられるので、気軽に取り組んでみてはいかがでしょうか?

 私たち5PM Journalは、熱量を帯びている偏愛に解釈を添えて、「あらたな気づき」を生み出すことを掲げて運営しているWebメディアです。ぜひそのほかの記事もご覧になってみてください。

 https://5pmjournal.com/

 

【参考】

辻調おいしいネット / 半歩プロの西洋料理

https://www.tsuji.ac.jp/oishii/recipe/w_food/hanpo/macro.html

 マクロビオティックの基本知識 | 日本安全食料料理協会【JSFCA】

https://www.asc-jp.com/diet/macrobiotic/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%93%E3%82%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E7%9F%A5%E8%AD%98/#:~:text=%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%93%E3%82%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%A8%E3%81%AF,-%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%93%E3%82%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%A8&text=%E9%A3%9F%E7%94%9F%E6%B4%BB%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E7%8E%84%E7%B1%B3%E3%82%92,%E5%8C%96%E3%81%8C%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

 マクロビオティックの意味 | 日本安全食料料理協会【JSFCA】

https://www.asc-jp.com/diet/macrobiotic/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%93%E3%82%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%91%B3/

 話題の「マクロビオティック」とは?基本の考え方や食事法・効果を紹介|ドクターリセラ

https://www.dr-recella.com/recellaterrace/journal/beauty-technique/what-macrobiotic

 マクロビオティックの基本 - CHAYA Macrobiotics

https://chayam.co.jp/macrobiotic/

 陰陽調和 | マクロビオティッククッキングスクール リマ | マクロビオティック料理の発祥校

https://lima-cooking.com/macrobiotic/yinyang/

 これで簡単!マクロビオティックの陰陽調和の意味と「陰陽表」の見方 | 通信教育講座・資格の諒設計アーキテクトラーニング

https://www.designlearn.co.jp/macrobiotic/macrobiotic-article15/

 「身土不二(しんどふじ・しんどふに)」とは 意味や考え方、地産地消との違いを知る | ELEMINIST(エレミニスト)

https://eleminist.com/article/1067

 身土不二 | マクロビオティッククッキングスクール リマ | マクロビオティック料理の発祥校

https://lima-cooking.com/macrobiotic/shindofuji/

 一物全体 | マクロビオティッククッキングスクール リマ | マクロビオティック料理の発祥校

https://lima-cooking.com/macrobiotic/ichibutsuzentai/

 マクロビオティック(マクロビ)とは?ビーガンとの違い・基本食と得られる効果 - SDGsメディア『Spaceship Earth(スペースシップ・アース)』

https://spaceshipearth.jp/macrobiotics/

 ヴィーガンとは?ベジタリアンとマクロビオティックとの違いや意味を徹底解説!

https://www.ain-soph.jp/post/veganinformation

 マクロビとヴィーガンの違いとは?両者の違いを徹底解説|ヴィーガン情報総合|ハッピーキヌア|日本最大級のヴィーガン情報メディア

https://happy-quinoa.com/macrobiotics-vegan/

 マクロビオティックのもたらす効果 | 日本安全食料料理協会【JSFCA】

https://www.asc-jp.com/diet/macrobiotic/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%93%E3%82%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E3%82%82%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%99%E5%8A%B9%E6%9E%9C/

 マクロビオティックの効果・気をつけるポイントを解説|オーガニック・マクロビ料理教室G-veggie

https://www.g-veggie.com/post/i-1-ah

 マクロビオティックとは?考え方や取り組むメリットについて - 大豆ミート・プラントベース通販のearthmeat LIKE CHICKEN!?

https://www.earthmeat.net/blog/contents/macrobiotic/