もくじ
1.ココアもチョコレートも原料は「カカオ豆」
2.ココアとチョコレートの製法の違い
3.チョコレートとココアの栄養成分の違い
4.栄養たっぷりなココア・チョコレートを楽しもう
ココアもチョコレートも原料は「カカオ豆」
ココアもチョコレートも原料に「カカオ豆」が使われています。カカオ豆は、カカオポッドという植物の実の中にある種子です。
ココアとチョコレートのどちらを製造する場合でも、まずは下記の手順でカカオ豆から「カカオマス」を作るところから始まります。
1.カカオポッドからカカオ豆を取り出す
2.取り出したカカオ豆を発酵・乾燥させる
3.発酵・乾燥させたカカオ豆をローストする
4.炒ったカカオ豆を粉砕して、ふるいにかけてカカオニブを分離する
5.分離したカカオニブをペースト状にしてカカオマスに加工する
ココアとチョコレートの製法の違い
カカオマスを作った後から、ココアとチョコレートの製造工程が変わっていきます。ここでポイントになるのは「ココアバター」です。
ココアバターとは、カカオニブに約55%含まれている油脂成分のことです。チョコレートのような甘い香りがしますが、チョコレートのような色ではなくクリーム色をしています。また、融点が34度と低いため、人肌程度でもとろけてしまうのが特徴です。
ココアとチョコレートとでは、ココアバターの含有量が大きく異なります。
それぞれの製法について解説します。
ココア:ココアバターを一部取り除いたカカオマスをパウダー状に加工
ココアは、ココアバター(油脂成分)を一部除去したカカオマスをパウダー状に加工して作られます。
ピュアココアや純ココアと呼ばれるものは、下記の条件を満たしたものです。
・ココアバターの含有量が全重量の8%以上
・水分が全重量の7%以下
・バニラ系香料以外のものが配合されていない
また、砂糖や脱脂粉乳などを加えた場合は、「調整ココア」に分類されます。
出典:「チョコレート業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」(全国公正取引協議会連合会)
チョコレート:カカオマスにココアバター・砂糖・ミルクを加える
カカオマスからココアバターを除去せず、さらにココアバターを追加した上で砂糖やミルクを加え、固形物にしたものがチョコレートです。
ただし、チョコレートとして認められるには、下記の条件を満たす必要があります。(乳固形分が含まれる場合は割合が異なります。)
・カカオ分が全重量の35%以上
・ココアバターが全重量の18%以上
・水分が全重量の3%以下
また、「チョコレート」と表示して販売できるのは、これらの条件を満たすチョコレートのみを使ったもの、あるいは全重量の60%以上がチョコレートのものに限られます。
それ以外のものは、カカオ分の割合や原料、製法などによって準チョコレート・チョコレート菓子・準チョコレート菓子などに分類されます。
出典:「チョコレート業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」(全国公正取引協議会連合会)
チョコレートとココアの栄養成分の違い
ココアとチョコレートは、栄養成分にも違いがあります。
それぞれの栄養成分についてみていきましょう。
チョコレート:高カカオチョコの食物繊維量はミルクチョコの4倍以上
チョコレートにはミルクチョコレートや高カカオチョコレートなどがあり、それぞれ栄養成分が異なります。
ミルクチョコレートと高カカオチョコレートの栄養成分をみてみましょう。
ミルクチョコレート | 高カカオチョコレート | |
カロリー | 550kcal | 539kcal |
たんぱく質 | 6.9g | 8.9g |
脂質 | 34.1g | 41.3g |
炭水化物 | 53.9g | 35.2g |
食塩相当量 | 0.2g | 0g |
(100gあたり)
チョコレートの栄養成分を詳しくみてみると、健康や美容にうれしい食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。
特に高カカオチョコレートはミルクチョコと比較して、食物繊維量が4倍以上、カリウムが約2倍含まれているなど栄養豊富です。
チョコレートの詳しい効果や種類などについては、下記の記事をご覧ください。
「チョコレートの効果やおすすめの種類は?食べ方や賞味期限について紹介」
参考:「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(文部科学省)
ココア:チョコレートと比べて栄養価が高い
チョコレートにはさまざまな栄養が豊富に含まれていますが、ココアはそれよりもさらに栄養価が高い食品です。
ピュアココア(純ココア)とミルクココア(調整ココア)の栄養成分をみてみましょう。
ピュアココア | ミルクココア | |
カロリー | 386kcal | 400kcal |
たんぱく質 | 18.5g | 7.4g |
脂質 | 21.6g | 6.8g |
炭水化物 | 23.5g | 75.1g |
食塩相当量 | 0g | 0.7g |
(100gあたり)
チョコレートの栄養成分表と比較するとわかりやすいですが、ピュアココアはチョコレートよりも低カロリーです。
それにもかかわらず脂質や炭水化物が少なく、たんぱく質は豊富に含まれています。
また、栄養成分を詳しく比較すると、ピュアココアは高カカオチョコレートよりも食物繊維が多いことがわかります。
そのほかカルシウム・カリウム・鉄・ビタミンB2・B6・B12なども豊富に含んでおり、疲労回復や生活習慣病予防などの効果が期待できるといわれています。
関連記事:「ココアのカフェイン量は?妊娠中や就寝前に飲む注意点をチェック!」
参考:「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(文部科学省)
栄養たっぷりなココア・チョコレートを楽しもう
ココアとチョコレートは、同じカカオ豆を原料としています。しかし、カカオ豆をカカオマスにした後からの製造工程は大きく異なります。
ココアはカカオマスからココアバターを除去し、チョコレートはカカオマスにさらにココアバターを追加して作られるのです。そのため、ココアバターの含有量が大きく異なります。
いずれにせよ、ココアとチョコレートは栄養価が高い食品です。特に高カカオチョコレートやピュアココアには健康や美容にうれしい成分がたっぷり含まれているので、日々の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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【参考URL】
冬の風物詩・ホットチョコレート!ココアとは何が違う?|Minimal
【原料は一緒!?】意外に知らない! チョコレートとココアの違いとは?|ウチコト
カカオマスとはカカオニブをすりつぶしたもの。製造工程、含まれる成分などを解説|Hello.Chocolate by meiji
ココアとチョコレートの違いとは?製造方法やホットチョコレートとの違いも|macaroni
なにが違うの?カカオとココア・チョコレートの違いとは|RYOSEKKEI ARCHITECT LEARNING SCHOOL
チョコレート・ココアにはどのような成分が含まれていますか?|日本チョコレート・ココア協会