もくじ
1.貧血の症状とは?
2.貧血の原因
3.女性必見!鉄が不足しやすい年代とは?
4.貧血への対処にはチョコレートがおすすめ?その理由とは
5.貧血対策でチョコを食べるときの注意点
6.チョコレートでうまく貧血に対処しよう
貧血の症状とは?
貧血の症状というと立ち眩みやめまいを想像しがちですが、貧血の程度や進み具合によってさまざまな症状が現れます。
【貧血の症状】
・立ち眩み
・息切れ
・めまい
・ふらつき
・頭痛
・胸の痛み
・呼吸や脈拍が早くなる、動悸
・疲労感
このように、中には貧血以外の原因を疑ってしまうような症状が現れることもあります。なかには症状が現れず、自分では気が付かないうちに貧血になっていることも……。
まずは、貧血の代表的な症状を確認してみましょう。
参考:国立研究開発法人 国立がん研究センター「貧血 もっと詳しく」(2024年4月9日)
立ちくらみやめまい
立ちくらみやめまいは、最も代表的な貧血の症状です。実際に経験したことのある人も多いのではないでしょうか。貧血で立ちくらみやめまいが起こる理由は、脳の酸素不足です。
貧血だと、体のすみずみまで酸素を運ぶヘモグロビンが減少します。すると脳に届けられる酸素も減り、立ちくらみやめまいが起こるのです。
脳には大量の酸素が必要です。十分な量の酸素が届かなくなると、立ち上がったときにフラフラしたり、しっかり立っているはずなのに足元がフワフワして安定しないような感覚になったりします。
ただし、立ちくらみやめまいの原因は、貧血だけではありません。長時間立ち続けていたら立ち眩みが起きた、めまいに加えて手足がしびれている、耳鳴りがするなどの場合は貧血以外に原因がある可能性も考えられます。違和感がある場合は、早めに医療機関を受診した方が安心です。
だるさや疲れやすさ
貧血になると、常にだるさを感じたり、少し動いただけでも疲れやすくなったりします。さらに朝起きるのが辛くなることもあり得ます。だるさや疲れやすさを感じるようになるのは、ヘモグロビンが減少することで全身に酸素が行き渡らなくなり、体の細胞が酸素不足に陥るからです。
だるさや疲れやすさは、仕事が忙しかったり、寝不足が続いていたりするなど生活面が原因と考えがちですが、貧血が原因となっている可能性もあります。貧血の対処をせずに放置していると、肌荒れや髪、爪のトラブルとして美容面に現れることもあるため、注意が必要です。
女性の場合は生理前の月経前症候群(PMS)の症状でだるさや疲れやすさが現れる人もいます。月経前症候群なら生理が来ると症状は自然になくなりますが、生理周期に関係なく症状が現れる人は、貧血が原因かもしれません。
呼吸や脈拍が早くなる
貧血で全身に血液が行き渡らなくなり体内の酸素が不足すると、心臓が全身に酸素を行き渡らせようと一生懸命動き、呼吸や脈拍が早くなることがあります。呼吸や脈拍が早くなると、息切れや動悸の症状につながるケースも珍しくありません。
軽い動作ですぐ息切れしたり、動悸を感じたりするといった症状がある場合は、貧血も疑いましょう。長い階段や激しい運動で息切れをすることはよくありますが、貧血の場合はちょっとした動きで息切れしたり、なかなか回復しなかったりします。
また、動悸がひどくなり、胸に痛みを感じるようになるケースも。息切れや胸痛の症状が現れた場合は、貧血が進んでいる可能性も考えられます。
肩こりや頭痛
パソコンやスマートフォンを長時間使用していると起こることの多い肩こりや頭痛。実は貧血が原因かもしれません。
貧血で肩こりや頭痛が起こるのも、全身の血流が悪化して体が酸素不足に陥ることが理由です。筋肉や脳が酸素不足になると代謝が悪くなるため肩こりや頭痛を引き起こします。
貧血で血流が悪化して現れる症状は、肩こりや頭痛だけではありません。手足の冷えや寒気、脳機能の低下により頭が働かなくなるといった症状が現れることもあります。
貧血の症状を見てみると、立ち眩みやめまいなど、一般的に知られている症状だけではないことがわかります。ただの疲れや運動不足だと思って見過ごしていると、症状が悪化するかもしれないため、当てはまる部分がある人は貧血の可能性も視野に入れましょう。
無症状の貧血も多い!
これといった症状がないにもかかわらず、貧血になっている人も多いといわれています。普通に過ごしていると症状が出ないため気が付かない、症状が軽く気が付かない、貧血の進行度合いがゆっくりで症状に慣れてしまい気が付かない人もいるようです。
無症状や無自覚の場合は、健康診断の血液検査で貧血がわかる場合があります。一般的には、ヘモグロビン濃度(血色素)の数値が基準より低いと貧血です。ちなみに日本人間ドック・予防医療学会では男性が13.1~16.3g/dL、女性は12.1~14.5g/dL(※)が基準範囲内とされています。
ほかにも赤血球数(RBC)やヘマトクリット(Ht)の数値で貧血かどうかを判断することも可能です。ヘマトクリットとは血液の中に赤血球がどのくらい含まれているのかを示す数値です。
自分では気が付かないうちに貧血が進行している可能性もあるため、健康診断はできる限り受けるようにしましょう。
※出典:日本人間ドック・予防医療学会「血液検査」(2024年4月1日参照)
貧血の原因
貧血の原因は一般的に知られている鉄分不足や出血のほか、骨髄、腎臓の病気、免疫の異常などさまざまです。これらの原因により、赤血球の生産が間に合わず貧血になったり、赤血球がなくなり貧血になったりすることもあります。
とはいえ、持病などのない健康な人が貧血になる場合、原因は主に以下の2点が考えられます。
鉄分不足によるヘモグロビン減少がほとんど
貧血の原因の多くが、鉄不足によるヘモグロビン減少だといわれています。ヘモグロビンは赤血球に含まれるたんぱく質で、先述したように体中に酸素を運ぶという重要な役割を担っています。
鉄分はヘモグロビンを作り出すために必須の栄養素です。しかし、人間が自ら体内で合成することはできないため、食事から摂取しなければなりません。鉄分の摂取量が足りないとヘモグロビンが作れずどんどん減少し、貧血になってしまうのです。鉄分不足が続くと、貧血が悪化してしまう可能性もあります。
厚生労働省によると、鉄の1日の摂取推奨量は成人男性で7.5mg、月経のある女性は10.5mg、月経のない女性は6.5mg(※)としています。偏った食事はもちろん、ダイエットで過度な食事制限をすることも鉄分不足になる原因です。
ビタミンCは鉄分の吸収をアップさせるといわれているので、鉄分を意識して摂取するとともに、ビタミンCを多く含む緑黄色野菜や果物の摂取も意識してみると良いかもしれません。
※出典:厚生労働省e-ヘルスネット「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう」(2024年4月1日参照)
生理やケガなど出血がある場合
生理やケガなどで出血をしてヘモグロビンが減ってしまい、貧血になるケースもあります。特に女性の多くは生理によって定期的に出血するため、貧血である割合も高いといわれています。
生理のある女性の中でも注意したいのが、毎回生理が重い人や、経血の量が多い月経過多の人です。この場合は、生理の出血による貧血だけが問題ではない可能性があるからです。例えば子宮内膜症や子宮筋腫、血液の病気が原因で出血が多くなっていることも考えられます。
子宮内膜症は本来発生しない場所に子宮内膜が発生して成長する病気、子宮筋腫は良性の腫瘍です。頻繁にナプキンを変えなければいけないくらい出血が多い、レバー状にかたまったものが出続けているなどの場合は、検査を受けてみましょう。
女性必見!鉄が不足しやすい年代とは?
貧血は女性だけに起こる症状ではありませんが、生理が始まったり妊娠したり、更年期がきたり……。女性は体調が変化し続けるため、鉄分が不足しやすくなる年代があります。
では、どの年代で鉄が不足しやすくなるのでしょうか。それぞれの年代で起こる貧血や、注意点を解説します。
幼少期
生まれたばかりの赤ちゃんは、ママから移行した鉄分があるため貧血になりづらいとされています。しかし、生後6か月を過ぎた頃から幼児期になると急激に成長するため、鉄分の供給が間に合わなくなり貧血になることがあります。幼児期の貧血は男女問わず起こるため注意が必要です。
鉄分は神経発達にも欠かせない栄養素です。この時期に鉄分が不足すると認知・行動の発達が遅れたり、記憶力・学習能力が低下したりする可能性もあります。
幼少期は貧血の症状があっても、自分から訴えることが難しいため、食事で補ってあげることが大切です。
初潮期
小学校高学年から中学生にかけて初潮を迎える女性が多く、特に初潮期はより多くの鉄分が必要になる時期です。これまでは鉄分が足りていたとしても、生理によって減少してしまうため、鉄分が不足しやすくなります。鉄分などの栄養が足りずに、朝なかなか起きられなくなってしまう子も少なくありません。
この時期は鉄分以外の栄養も不足しがちです。初潮期の女の子がいる家庭では、鉄分だけでなく、たんぱく質やビタミンなどバランスの良い食事を特に心がけるようにしましょう。朝起きられないために朝食を抜くなどすると、悪循環になってしまう恐れもあります。
第二次成長期
第二次成長期は性別によっても異なりますが大体7歳から11歳くらいの時期を差します。この時期は急速な体の発達に伴い多くの鉄分が必要になり、男女ともに貧血になりやすくなります。多くの鉄分が消費されるため、摂取する量よりも消費される量の方が多くなる傾向にあるからです。
第二次成長期は大人以上の鉄分が必要とされており(※)、この時期に貧血状態になると身長が伸びづらくなったり、体調不良が続いたりします。さらに集中力の低下など、学業にまで影響を及ぼす可能性もあります。
また、スポーツをしている子は、鉄分が汗と一緒に流れる、筋肉が発達するときに鉄分が消費されるなど、より失う鉄分も多く貧血になりやすい状況です。
厚生労働省|「鉄の食事摂取基準」(2024年4月9日)
思春期
思春期は子どもから大人への移行期間を差し、8歳ごろから18歳ごろまでの長期間を差すことが多いようです。体の成長や部活動などで取り組むスポーツでの鉄分消費に加えて、心の変化も鉄分不足に影響してきます。周囲の目や異性を意識し始める思春期になると、体型を気にして食事制限を始める子もいるからです。
多くの鉄分が必要なこの時期に食事制限をしてしまうと、十分な鉄分量を補えません。このように思春期は、体の成長や運動、無理なダイエットにより貧血になってしまう子もいます。
妊娠・授乳期
女性の場合、妊娠・授乳期も貧血になりやすい時期です。そもそも生理により鉄分の流出がある女性は、体内に鉄分を貯めておきづらいといわれています。
妊娠していない時期でも鉄分不足に陥る人が少なくありませんが、妊娠すると赤ちゃんのために通常時以上の鉄分が必要になります。この時期は鉄分だけでなく、赤血球の精製を助ける葉酸が足りなくなるケースもあり、鉄分と一緒に葉酸の摂取も意識しなければなりません。
妊娠中に貧血になると、赤ちゃんの成長やママの体調、切迫早産のリスクがアップしてしまいます。また、母乳を与えることで赤ちゃんに栄養を分け与える授乳期も鉄分が不可欠です。
更年期以降
更年期も鉄不足になりやすいといわれています。女性の場合、更年期とは閉経時期の前後各5年の期間を指します。前後各5年なので全体で10年程度あり、ホルモンバランスが乱れることで体調に変化を感じる人が少なくありません。
更年期と聞くと女性ホルモンの減少をイメージしますが、急に減少するわけではなく、一度増加してから減少していくケースもあるのだとか。女性ホルモンが増加すると経血量が増えたり生理周期が短くなったりすることがあり、その結果、鉄不足になってしまう人がいます。
疲れやすい、頭痛、めまい、動悸など更年期の症状と貧血の症状が似ているため、貧血かどうかを見極めるには血液検査が必要です。
さらに、高齢になるほどがんなどの病気が原因で出血し、貧血になる可能性も高まります。
貧血への対処にはチョコレートがおすすめ?その理由とは
幼少期や成長期は性別問わず鉄分が不足しやすいものの、生理や妊娠・授乳期、更年期などを経験することがある女性は、人生のほとんどの時期で鉄分が不足しやすいことがわかりました。
この記事を読んでいる人の中には、すでに貧血気味で悩んでいる人もいるのではないでしょうか。実際に貧血になってしまったときや、あらかじめ対策しておきたい人は、その対処法の一つに「チョコレート」を加えてみるのがおすすめです。
「なぜチョコレートで?」と疑問に感じるかもしれませんが、チョコレートをおすすめするのには、いくつかの理由があります。
チョコレートには鉄分が含まれるため
お菓子のイメージが強いチョコレートに栄養が含まれていると聞くと、少し信じられませんよね。チョコレートには鉄分が含まれていますが、これはチョコレートの原料であるカカオに鉄分が含まれているからです。
文部科学省の日本食品標準成分表(※)によると、スイートチョコレート100gあたりに含まれる鉄分は4mg、スイートチョコレートカカオ増量100gあたりに含まれる鉄分は9.3mgです。乳成分が含まれるミルクチョコレートでも100gあたり2.4mgの鉄分が含まれています。ただしホワイトチョコレートは100gあたり0.1mgとほとんど含まれていないので注意が必要です。
表の菓子類全体を見てみると、チョコレートほど鉄分を多く含む項目は見当たりません。同じ100gで見ると、牛の生レバーがスイートチョコレートと同じ4mgでした。同じ100gでも実際に食べる感覚は異なりますが、お菓子で鉄分を補給して貧血対策ができるのであれば、利用しない手はありませんね。
※出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(2024年4月2日参照)
食べやすい、そしておいしい
チョコレートの特徴は、なんといってもおいしいこと。甘くておいしい上に貧血対策ができるのですから、おすすめしないわけにはいきません。
鉄分を多く含む食べ物で有名なのがレバーやまぐろ、ホウレンソウ、海藻などが挙げられます。中でもレバーは鉄分を多く含むため、鉄分をたくさん摂取できます。
とはいえ、レバーは独特な食感と風味があり、苦手な人も多いはず。濃いめの味で風味が目立たないようにする方法もありますが、進んで食べたいと思えない人もいるのではないでしょうか。ほかに鉄分を多く含む食べ物も苦手で継続的に食べるのは憂鬱と感じる人もいるかもしれません。子どもの場合は栄養が含まれていると言われても、苦手なものは食べない子もいます。
子どもから大人まで食べやすく、おいしく鉄分補給ができるチョコレートは貴重です。
調理する必要もない
チョコレートは調理する必要がない点も、貧血対策としておすすめする理由の一つです。
鉄分を多く含むほかの食べ物は、下処理や調理をしなければ食べられないものがほとんどです。一方、チョコレートならパッケージから出したらそのまま食べられます。コンビニでも手軽に購入できるため、必要なときに手に入れられます。生理中などの貧血でふらふらするから調理するのが辛い、というときにもぴったりです。
チョコレートだけをそのまま食べるのも良いのですが、効率良く鉄分を吸収するために、手軽に食べられるほかの食べ物を一緒に食べるのも良いですよ。
先述したようにビタミンCは鉄分の吸収を高めてくれる栄養素です。例えば柑橘類やイチゴはビタミンCを多く含むだけでなく、手軽に食べられます。チョコレートとの相性も良いので、おやつに組み合わせて食べてみては?
チョコレートは栄養豊富
チョコレートに含まれている栄養は、鉄分だけではありません。カカオポリフェノールや食物繊維、テオブロミン、ミネラルなど、美容や健康を意識する人が積極的に摂取したい栄養が豊富です。
カカオポリフェノールは抗酸化作用が強く、動脈硬化予防や美容効果が期待できる栄養です。食物繊維には整腸作用が、テオブロミンにはリラックス効果や血管拡張作用が期待できます。ちなみに、スイートチョコレート100gあたりの食物繊維は7.7g、スイートチョコレートカカオ増量100gあたりの食物繊維は13.1gです。
チョコレートの鉄分以外のミネラルを見ると、亜鉛、カリウム、カルシウム、マグネシウム、銅などがバランス良く含まれています。ミネラルは私たちの体を作るのに欠かせません。チョコレートはおいしいだけでなく、栄養面でも魅力的です。なお、チョコレートの栄養に関しては、「チョコレートの効果やおすすめの種類は?食べ方や賞味期限について紹介」で詳しく解説しています。
貧血対策でチョコを食べるときの注意点
チョコレートで貧血の対処ができますが、チョコレートの種類や食べる量、健康面に関することで注意したい点もあります。せっかくおいしく貧血対策をするのなら、より効果的に食べたいですよね。ここからは、貧血対策でチョコレートを食べる際の注意点を解説します。
すべてのチョコレートが貧血に効果あるわけではない
貧血対策としてチョコレートを食べる場合は、チョコレートの選び方に注意しましょう。鉄分を含むカカオは、どのチョコレートでも使われているわけではなく、種類によって含有量も異なるからです。
チョコレートの種類は大きく分けると3つ。「ビターチョコレート(ダークチョコレート)」「ミルクチョコレート」「ホワイトチョコレート」です。
ビターチョコレートはチョコレートの原料であるカカオマスが40~60%以上含まれています。近年は高カカオチョコレートと呼ばれる、カカオ分70%以上のものも販売されています。ミルクチョコレートはビターチョコレートに全粉乳やクリームパウダーなどの乳原料が加えられた種類です。ホワイトチョコレートは、ココアバターというカカオの主成分が使用されていますが、カカオマスは使用されていません。
貧血対策としてチョコレートを摂取する場合は、鉄分を含むカカオの含有量が多いものを選ぶのが効果的なので、ビターチョコレートが向いています。一方、ホワイトチョコレートはカカオが含まれていないため、貧血に対する効果が期待できません。
また、食べればすぐに貧血が良くなるなど、即効性があるわけではない点も注意しましょう。
鉄分吸収を阻害するタンニンに気を付けて
チョコレートには鉄分だけでなく、抗酸化作用が期待できるポリフェノールが含まれている点も魅力です。しかし、ポリフェノールにはタンニンという鉄分吸収を阻害する成分が含まれています。
そのためカカオ分が多く含まれる高カカオチョコレートを食べ過ぎると、鉄分の吸収が阻害されて逆効果になってしまう可能性があります。
タンニンは緑茶やコーヒー、紅茶などにも含まれている成分です。鉄分を意識している人は、チョコレートを食べるときにタンニンが含まれる飲み物を選ぶのは避けた方がよさそうです。
さらに、加工食品に使用されておりタンニンと同様に鉄分の吸収を阻害するリン酸、鉄分を一緒に排出してしまう不溶性食物繊維が含まれる食品も、一緒に摂取しない方がよいでしょう。
食べ過ぎると肥満リスクも
チョコレートは貧血対策に効果が期待できる食べ物ですが、食べ過ぎには注意しなければなりません。多くのチョコレートには砂糖が使われてているうえ、脂質も含まれており、カロリーも高い傾向だからです。
チョコレートだけで鉄分を補充しようとして食べ過ぎると、肥満リスクや糖尿リスク、肌荒れニキビなど肌に対しても影響が出る可能性があります。チョコレートはあくまでも補助的な役割として日常に取り入れましょう。
日本チョコレート・ココア協会では、厚生労働省・農林水産省が発表している「食事バランスガイド」を参考に1日に食べる量を考慮することをすすめています。食事バランスガイドが示すお菓子や嗜好品の1日の摂取目安は200kcalです。板チョコレートの場合、約35gが200kcalに相当(※)するので目安にしてみてください。一般的な板チョコレートは50~60gなので、半分強が適量といえますね。
※出典:日本チョコレート・ココア協会「チョコレート・ココアは1日にどれくらい食べてもよいのですか?」(2024年4月2日参照)
カフェインが含まれるので子どもや妊婦さんは控えめに
チョコレートにはカフェインが含まれているため、子どもや妊婦さんは控えめにした方が安心です。厚生労働省は、2024年4月時点で独自の摂取基準などは設けていませんが、各国のカフェイン摂取の基準量を公開し、カフェインの過剰摂取に注意を呼び掛けています。
例えばカナダ保健省(HC)では健康な成人の1日のカフェイン摂取目安を400mgとしているのだそうです。400mgは、マグカップで3杯分のコーヒーに相当します。妊娠中や授乳注の女性は最大300 mg/日(コーヒーマグカップで約2杯)、子どもは4歳~6歳の子供は最大45mg/日、7歳~9歳の子供は最大62.5mg/日、10歳~12歳の子供は最大85mg/日(355ml入り缶コーラ1~2本に程度)としています。
カナダに限らず、 世界保健機関(WHO)や英国食品基準庁(FSA)でも、カフェインの影響を受けやすい子どもや妊婦さんは、より少ない量で抑えるべきとしています。チョコレートだけで大量のカフェインを摂取することは考えにくいですが、コーヒーや紅茶などカフェインを含む飲食物を摂取する人は、1日に摂取するトータル量を意識してみてください。
出典:厚生労働省|食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~(2024年4月10日)
虫歯に注意!歯磨きはしっかりと!
砂糖が含まれているチョコレートは、食べた後で放置しておくと虫歯になりやすい点も注意しなければなりません。特に妊婦さんは虫歯や歯周病になりやすいため、しっかりケアしましょう。
チョコレートは虫歯菌が好きな砂糖がたっぷり使われている上に、粘性があり歯の表面にこびりつきやすい食べ物です。チョコレートを食べたら歯磨きをするように意識してみてください。
なお、幅広いお菓子に使われている白砂糖は虫歯になるリスクが高い砂糖ですが、てん菜糖やきび砂糖などミネラルが残る砂糖は虫歯になるリスクが低いのだそうです。もちろん歯の健康を守るためには歯磨きが必須ですが、子どもや妊婦さんが食べる場合は、なるべく虫歯リスクが低い砂糖を使用したチョコレートを選ぶのが良さそうです。
チョコレートでうまく貧血に対処しよう
チョコレートは貧血の対処をしたいと考えている人におすすめな食べ物の一つです。おいしくて手軽に食べられるだけでなく、鉄分以外の栄養も豊富です。男性や子どもにはもちろん、鉄分が不足しがちな女性にもぴったりですね。
とはいえ、すべてのチョコレートに鉄分が含まれているわけではありませんし、食べ過ぎや虫歯リスクなども考慮する必要があります。そこでおすすめなのが、「andew」のチョコレートです。
andewは世界一やさしいチョコレートとして、現役医師が栄養面や口当たりの良さを意識しながら作ったチョコレートです。おいしく食べながら、鉄分はもちろん、不足しがちな栄養素が摂取できます。北海道産てん菜糖を100%使用など、素材にもこだわっているandewのチョコレート。ぜひチェックしてみてください。
参考サイト
生理と貧血は関係ある? 生理のある20代~40代女性の約65%が貧血またはかくれ貧血!
チョコレートは貧血に良いって本当?効果は?食べすぎは症状悪化・肥満の原因に
「鉄欠乏性貧血」を予防・改善。 たっぷりと「鉄」を補う食事のコツ
貧血にはチョコレートが効果的?効果的な理由や摂取量などを紹介
チョコレートの分類はいくつある?原材料や製造方法でみる違いと特徴
Q8 チョコレート・ココアは1日にどれくらい食べてもよいのですか?