もくじ
1. ビールの種類(ビアスタイル)とは
2. エールビールを5種類紹介!
3. ラガービールを5種類紹介!
4. ビールが買えるオンラインサイト
5. ビールに関する豆知識を紹介!
6. 自分好みのビールを探してみて!
ビールの種類(ビアスタイル)とは
ビールは原料や醸造方法によって味わいや香り、のどごしが変わります。それらの種類は「ビアスタイル」と呼ばれ、細かく分類すると180以上のスタイルがあるといわれています。
ビアスタイルの違いは、見た目だけでは判断できません。たとえば、同じ「黒ビール」のジャンルでも、スタウト、ポーター、デュンケル、シュバルツなどのスタイルが存在します。
自分好みのビールを見つけるための第一歩は『スタイルを知ること』といっても過言ではありません。「おいしい!」と感じるビールに出会ったら、ビアスタイルをチェックしてみましょう。
「エール」と「ラガー」の違いを知ろう
ビアスタイルは発酵の方法によって、エールとラガーの2つに分類されます。正確には、どちらにも分類されない「その他」の発酵方法もあります。有名なのはベルギーの自然発酵ビールですが、生産量が非常に少ないため、今回は主流のエールとラガーにポイントを絞って解説します!
エールとラガーの違いは、次のとおりです。
エール | ラガー | |
発酵の期間 | 短い | 長い |
発酵の温度 | 高い | 低い |
誕生した国 | イギリス | ドイツ |
製法 | 上面発酵 | 下面発酵 |
歴史 | 紀元前1世紀ごろ~ | 15世紀ごろ~ |
エールビールが18~24度の高い温度で発酵させるのに対して、ラガービールは5~14度の低温でじっくりと発酵させていきます。発酵が進むとエールはタンク内の酵母が上面に浮かび、ラガーはタンク内の酵母が下面に沈むことから、それぞれの製法を上面発酵(エール)、下面発酵(ラガー)と呼びます。
日本の大手飲料メーカーが製造している缶ビール、居酒屋でキンキンに冷えて出てくる生ビールのほとんどが、ラガービールです。低温で発酵させるラガーは製造管理がしやすく、大量生産に向いていることから、広く流通するようになりました。
エールビールを5種類紹介!
エールは香りや舌触りを楽しみながらゆっくりと飲みたいビールです。風味を損なわず、おいしく飲める温度は10~16度とされています。飲みなれた居酒屋のビールと比べると、少しぬるく感じるかもしれませんね。
エールビールは大量生産に向いていない代わりに、多種多様なスタイルが楽しめます。ここからは、筆者が厳選したおすすめのエールビールを5種類紹介します。
ペールエール:香り高きエール系ビールの王道
フルーティな香りと苦味のあるホップが特徴のエール系ビールの王道です。ちなみに「ホップ」とは、ビールの香りや苦味の決め手となる植物のこと。「初摘みホップ」「ホップ畑の香り」など、缶ビールのデザインでもよく目にする言葉ですよね。
ペール(pale)とは、日本語で「淡い」を意味します。日本人が飲みなれているラガービールと見た目や味わいが似ているため、エールビール初心者にもおすすめのスタイルです。ペールエールのなかでも人気が高いのが、「よなよなエール」。日本のクラフトビールブームをけん引している人気ブランドで、柑橘類を思わせるフレッシュな香りが口の中で華やかに広がります。
IPA(インディアペールエール): ホップを大量に使ったパンチのあるスタイル
IPA(アイピーエー)はホップを大量に使ったパンチのあるビールで、インディアペールエールという名前から想像できるように、インドと関係の深いスタイルです。現代のように技術が発展していない時代は船での輸送が主流でしたが、高温多湿の環境下ではビールが傷んでしまうことも少なくありませんでした。
そこで活躍したのが、菌の増殖を抑制できるホップです。イギリスからインドに向けて運ぶペールエールに防腐剤としてホップを大量に投入したのがIPAのはじまりだといわれています。そんなIPAのなかでもおすすめしたいのが、ブリュードッグの「パンク IPA」。でこぼこしたユニークなくびれが特徴のIPAグラスで飲むと、さらにおいしく味わえます。
ベルジャンホワイト・ヴァイツェン:すっきり爽やかな白ビール
白ビールとは、小麦麦芽を原料に造られるビールで、ベルジャンホワイトやヴァイツェンなどの種類があります。どちらもすっきりと爽やかなテイストですが、ベルジャンホワイトの方がややスパイシーな仕上がりとなっています。ベルジャンホワイトの国産ビールとしては、「水曜日のネコ」や「Daydream」が有名です。
ヴァイツェンはドイツ伝統の白ビールで、バナナやリンゴのような甘い香りが特徴です。日本では地ビールとしての生産も盛んで、「御殿場高原ビール ヴァイツェン」「箕面ビール ヴァイツェン」をはじめ、豊富なバリエーションがあります。
スタウト:どっしりとした濃厚な飲みごたえが魅力
日本語で「どっしりした」「頑強な」という意味を持つスタウト(stout)は、濃厚な味わいが魅力です。アイルランドのギネス社が生み出したスタイルで、コーヒーのような深い香りが特徴の黒ビールとなっています。
ギネスのスタウトは世界中のパブで提供されていますが、本場のアイルランドでは「目で楽しむこと」も大切にしています。グラスに注いでからすぐに口をつけるのではなく、泡の動きを2分ほどじっと見つめることで、味が整うのを待つそうです。スタウトを味わうときは、ぜひクリーミーな泡も堪能してくださいね。
フルーツビール:甘くて飲みやすい!新感覚のビール
煮沸や発酵のタイミングで果物を加えることで、独特のフレーバーが楽しめる新感覚のビールです。フルーツそのものを漬けこむものから、エキスを加えるものまで、製法もさまざまでテイストに幅があります。
シャンディガフやレッドアイなどのビアカクテルが好きな人は、甘くて飲みやすいフルーツビールが好みに合うかもしれません。青りんご味の「ニュートン」はジュースのように甘くて飲みやすいので、女性を中心に人気があります。クッキーやスコーンをはじめ、お菓子との相性も抜群なビールです。
ラガービールを5種類紹介!
ラガーは、ゴクゴクと豪快に飲みたいときにぴったりのビールです。癖の少ないクリアな味わいなので、どんな料理にもマッチします。個人的には、がっつり食べたいときは、ラガービールを選びます。
ハンバーガーとラガービール、お寿司とラガービール、中華セットとラガービール。どれも最高の組み合わせですよね。それでは、ラガービールで押さえておきたい人気のスタイルを見ていきましょう。
ピルスナー:日本人に愛される定番スタイル
先ほど、ペールエールとは「淡いビール」のことだと紹介しましたが、実は19世紀半ばまではほとんどのビールが琥珀色や褐色といった濃い色でした。そんな中、1842年にチェコの醸造所が画期的な黄金色のビールを生み出します。この黄金色のビールこそ、日本で絶大な人気を誇る「ピルスナー」です。
サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」、キリンの「一番搾り 生ビール」、アサヒの「スーパードライ」は、いずれもピルスナーに分類されます。のどごしや口当たりのよさ、きめ細かい美しい泡が特徴で、多くの日本人から愛されているビアスタイルです。
デュンケル:飲みやすさを追求した黒ビール
ドイツ語で「暗い」を意味するデュンケルは、バイエルン地方で造られているラガービールです。黒ビールに分類されますが、真っ黒ではなく、ライトブラウンやダークブラウンの褐色が大半です。
深いコクがありながら、すっきりとした飲み心地なので、黒ビールに苦手意識がある人にこそ飲んでもらいたいスタイルです。小規模なブルワリーで生産されることが多いため、流通量はそれほど多くありませんが、「八ヶ岳ビール タッチダウン デュンケル」「軽井沢ビール プレミアム・ダーク」は根強いファンを獲得しています。
メルツェン:オクトーバーフェストで飲みたい!
日本各地で開催されているオクトーバーフェストでビールを楽しんだことのある人も多いのではないでしょうか。筆者も横浜の赤レンガや日比谷公園の噴水広場のオクトーバーフェストに足繁く通ったものです。
さて、このメルツェンという言葉ですが、ドイツ語で「3月」を意味します。10月に開催するオクトーバーフェストに向けて3月から仕込みをはじめることに由来しているそうです。オクトーバーフェストを訪れたら、このお祭りのために造られたメルツェンをぜひ飲んでみてほしいです。ちなみに、日本のビールメーカーのヱビスからも「プレミアムメルツェン」が発売されています。
ヘレス: ピルスナーに対抗するために造られたドイツ産ビール
ピルスナーの誕生は世界のビール事情に大きな変化をもたらしました。ビール大国であるドイツも例外ではなく、チェコ産のピルスナーに対抗するために造られたのがヘレスです。
ピルスナーと比べると苦みが抑えられていて、ほのかな甘みも感じられます。ヘレススタイルのブランドとしては、レーベンブロイが有名です。ソーセージやハムなどのドイツグルメには、ぜひヘレススタイルのラガービールを合わせてみてくださいね。
ボック: 古い歴史があるビアスタイル
どちらかといえばマイナーなビアスタイルに分類されるボックですが、14世紀に誕生した歴史あるラガービールで、中世のドイツでは絶大な人気があったそうです。ビールを傷めることなく長距離の輸送ができるよう、アルコール度数は平均的なビールよりも強い6~7%で造られています。
ドッペルボックというスタイルは、さらにアルコール度数が強く、8~10%程度となります。これをゴクゴク飲んでしまうと大変なことになるので、気を付けてくださいね。ミュンヘン正統派ビールを造るパウラーナーからは、救世主を意味する「サルバトール」と名付けられたボックが販売されています。
ビールが買えるオンラインサイト
ビールを買うならオンラインサイトが便利です。お店には置いていない商品が購入でき、箱で購入する際も家まで届けてくれるので、筆者もオンラインサイトをよく利用しています。
ここからは、普段からよく利用していておすすめのオンラインサイトを5つ紹介します。
サッポロビールネットショップKANPAI+
「RECOMMEND(おすすめ商品)」「REGULAR(定番商品)」「LIMITED(限定商品)」「VARITEY(ワイン・洋酒・梅酒など)」の4項目に分かれているので、ニーズに合わせて簡単に商品が探せます。基本的に送料込みの商品価格なので、送料を無料にするために大量買いする必要もありません。会員登録するとポイントサービスが利用できるようになり、さらにお得に購入できます。
SUNTORY イエノバ
自宅用のビールを探すのはもちろん、ビールギフトを贈りたいときにも便利なサイトです。とくに、看板商品の「ザ・プレミアム・モルツ」はギフトの種類も豊富にあります。季節限定のアイテムやソフトドリンクと組み合わせたセットは、毎年のお中元やお歳暮にもおすすめです。筆者の一押しアイテムは、ジャパニーズエールの飲み比べセット(数量限定)です。
KIRIN DRINX
KIRIN DRINXを利用すれば、さまざまなスタイルのクラフトビールが楽しめます。日本で人気のクラフトビールといえば、キリンのSPRING VALLEY(スプリングバレー)を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ヒット商品である「スプリングバレー 豊潤<496>」、爽やかな白ビール「スプリングバレー シルクエール<白>」、ラズベリーの酸味が特徴の「JAZZBERRY」をはじめ、見ているだけでも楽しめます。特集ページも充実しているので、ぜひチェックしてみてください。
よなよなの里
クラフトビールブームの火付け役といえば、「よなよなエール」「水曜日のネコ」「インドの青鬼」で知られるヤッホーブルーイングを外すわけにはいきません。ヤッホーブルーイングは長野県の軽井沢に本社を置くビール製造メーカーで、オンラインサイト「よなよなの里」を運営しています。自分好みのスタイルを見つけたい方には、入門書が付いた「クラフトビールはじめてセット」がおすすめです。
upcycle-beer
みなさんは、パンの耳を原料としたクラフトビールが発売されていることをご存知でしょうか。これまでさまざまなビアスタイルを紹介してきましたが、ビールはいまこのときも進化を続けています。日本でそんな新しい取り組みに挑戦しているのが、upcycle-beerです。
1923年に創業したパン屋さんによってはじめられたプロジェクトで、パンの製造過程で発生するフードロスをクラフトビールに生まれ変わられるというサスティナブルな製法を用いています。「Bread NZ Pale Ale」「Bread Amber Ale」は、それぞれ異なるブルワリーで造られているので、ぜひ飲み比べてみてください。店舗では出会えない希少なビールを探している方にこそ、飲んでもらいたい至極の一品です。
ビールに関する豆知識を紹介!
本記事では、ビールは製法によって「エール」と「ラガー」の2種類に大別できると解説してきましたが、製造されたブルワリーの規模や麦芽の比率などでも分類が可能です。最後に、ビールに関するちょっとした疑問や豆知識についてまとめてみました。
クラフトビールとは何?
クラフト(工芸品)のように職人が丹精を込めて造り上げたビールを「クラフトビール」と呼びます。クラフトビールの定義はあいまいなところがありますが、基本的には次の3つの条件を満たすものが該当します。
・独立していること
・小規模であること
・伝統的であること
クラフトビールは地域の特産を生かして開発されることも多く、地ビールとして販売されているものも多くあります。
発泡酒、第三のビールとは何?
「ビール」「発泡酒」「第三のビール」とは、酒税法に基づいた分類です。この酒税法は頻繁に改定されるのでややこしいのですが、例としてキリンのアルコール飲料は2023年時点で次のように分類されます。
分類 | 商品名 | 税率 |
ビール | 一番搾り 生ビール | 高い |
発泡酒 | 淡麗グリーンラベル | 中間 |
第三のビール | のどごし生 本麒麟 | 低い ※2023年10月から発泡酒と同等に引き上げ |
麦芽比率や副原料の重量によって税率が変わるため、このような分類が生まれました。今後の動向としては、2026年の酒税法改正でビール・発泡酒・第三のビールの税率が統一される予定となっており、各メーカーの商品展開に変化があると予想されます。
ビールと枝豆はなぜ合う?
おつまみの定番といえば、やっぱり枝豆です。ビールと枝豆の相性のよさはわざわざ説明するまでもありませんが、実は健康面でもメリットの多い組み合わせなんです。たとえば、枝豆に含まれる「メチオニン」には、肝臓のアルコール分解を助ける働きがあるといわれています。さらに、コレステロール値の上昇を抑える効果も期待できるそうです。お酒好きの強い味方といえる食材ですが、おいしいからといっても、ついつい飲みすぎないようにしてくださいね。
自宅でビールを最高においしく飲む方法は?
片付けの手間を考えると缶や瓶からそのまま飲んでしまいたくなりますが、自宅だからこそ、グラスにこだわってください。専用のグラスを使うことで、ビール本来の香りやコクが最大限味わえます。また、一般的には、ビールと泡の黄金比率は7:3だといわれています。これを意識するだけでも、ビールのおいしさはアップします。
自分好みのビールを探してみて!
ビールはわたしたちの身近な飲み物でありながら、実はとても奥深く、数多くのスタイルが存在します。まずは、エールとラガーを飲み比べて、味の違いを実感するところからはじめてみるのもおすすめです。何を買えばいいのか迷ってしまうときは、今回紹介したupcycle-beerなどのオンラインストアから購入してみてくださいね。
筆者もこの原稿がおわったら、お土産にもらった御殿場高原ビールのヴァイツェンとシュバルツを楽しむ予定です。
5PM Journalは、「あらたな気づき」を生み出すことを掲げて運営しているWebメディアです。役立つコラムからちょっと不思議な読み物まで幅広い情報を発信していますので、ぜひそのほかの記事もご覧になってみてください。
参考
【お酒のアレコレ情報サイト】ビールの種類をわかりやすく解説|世界のビールから日本のビールまで説明
【SAKIDORI】ラガービールのおすすめ20選。キレのある味わいで食中酒にピッタリ