チョコレートの効果やおすすめの種類は？食べ方や賞味期限について紹介

チョコレートに含まれる栄養素とは？

チョコレートの材料は、カカオ豆を加工したカカオ原料と砂糖などの副材料です。

カカオ豆には以下の栄養素が含まれています。

　● カカオポリフェノール

　● 食物繊維

　● テオブロミン

　● 脂肪酸

　● ミネラル（鉄、亜鉛、マグネシウム、銅など）

これらの栄養素は健康や美容の効果があり、チョコレートを健康のために食生活に取り入れる方が増えています。

どのような効果がある？

カカオに含まれる栄養素がどのような働きをするのか、それぞれの効果を見てみましょう。

【カカオポリフェノールの効果】

　● 動脈硬化予防

　● 肌の老化予防

カカオポリフェノールには強い抗酸化作用があります。老化の一因といわれる活性酵素の働きを抑えて、肌を整える美容効果も。また、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールの働きを抑制する働きもあり、動脈硬化を予防する効果が期待されている成分です。

【食物繊維の効果】

　● 整腸作用

カカオ豆を加工したカカオマスには、リグニンという食物繊維が多く含まれています。リグニンは消化酵素や腸で分解されずに排出され、その過程で腸の運動を促し腸内を整える効果があります。

【ミネラルの効果】

　● 人体に欠かせない栄養素

カカオに含まれる鉄・亜鉛・マグネシウム・銅などのミネラルは、身体に欠かせない栄養素です。酸素の構成や骨・肌の成長に関わるミネラルは、人体で生成されないため食事などで摂取するようにしましょう。

【テオブロミンの効果】

　● リラックス効果

　● 血管拡張

チョコレートの苦味成分で、脳内伝達物質に働きかけてリラックス効果をもたらします。また血管を広げる働きがあるため、脂肪の蓄積を予防したり冷え性を改善したりする効果が期待できます。テオブロミンは興奮作用や利尿作用もあるので、適量を摂取するようにしましょう。

【脂肪酸の効果】

　● コレステロールを下げる

カカオ豆には、パルミチン酸・ステアリン酸・オレイン酸の3種類の脂肪酸が含まれています。飽和脂肪酸の摂りすぎはコレステロールの増加を招きますが、カカオ豆に含まれる飽和脂肪酸は体内に吸収されにくいものやコレステロールを下げる働きがあるといわれています。

健康のためにおすすめなチョコレートの種類

カカオポリフェノールの健康への効果が注目されるようになり、スーパーの店頭などでもカカオ分の高いチョコレートを見かけることが多くなりました。一般的にカカオ分が70％を超えるチョコレートは高カカオ（ハイカカオ）チョコレートとして販売されています。

チョコレートはカカオ豆を加工したカカオニブ・カカオマス・ココアパウダー・ココアバターを主原料として、砂糖やミルクパウダーなどの副材料で作られます。全材料に対してカカオ豆に由来する成分が全体の70％を占めているチョコレートが高カカオチョコレートと呼ばれるのです。

一般的なチョコレートは高カカオチョコレートに比べ、砂糖や乳成分が多く含まれるため、子どもにも好まれる味わいが特徴です。高カカオチョコレートは、カカオ分が多いために砂糖などは少なくなり、カカオ本来の苦みが楽しめます。カカオの配分が高くなるほどに苦味が感じやすくなるので、好みの配分を見つけてください。

カカオ分の割合が多くなるほどカカオポリフェノールの含有率も高くなるため、健康に良いと思いがちですが、注意すべき点もあります。カカオ分に含まれるココアバターは脂肪分です。高カカオになれば脂肪分も増えカロリーが高くなってしまいます。健康のために高カカオチョコレートを食べる場合には、カロリーにも注目して食べすぎに注意しましょう。

チョコレートの効果的な食べ方

一般的なチョコレートに比べて、高カカオチョコレートはカカオ豆に含まれる栄養分が多く含まれています。栄養素それぞれの性質に合ったタイミングで摂取できれば、効果が発揮されるでしょう。

カカオに含まれるカカオポリフェノールは体内の水分と一緒に排出されやすいため、短時間で効果が出やすい特徴があります。栄養素を体内に長く留めることが難しいので、少量ずつ複数回に分けて食べるのがおすすめです。

チョコレートの効果を上手に取り入れるための注意点や摂取量の目安を紹介します。

おすすめの食べるタイミング

カカオポリフェノールの効果を持続させるためには、1日5回ほどチョコレートを摂取するのがおすすめです。目安として「1日3食の食前と食間」と覚えておくとわかりやすいのではないでしょうか。

ポリフェノールには記憶力を高める働きが、テオブロミンには集中力を高める働きがあります。仕事や勉強に疲れたときや集中力が切れたときなどには、高カカオチョコレートを摂取して効率を上げるのもおすすめです。

また、高カカオチョコレートは血糖値を気にしている方にもおすすめの食品です。カカオポリフェノールや食物繊維には、血糖値の糖質の吸収を穏やかにしたりインスリンの働きを調整したりする効果があります。普通のチョコレートより砂糖やミルクの割合も低いため、血糖値の上がりやすさを示すGI値が低くなっています。

血糖値は食事を始めると上がりやすくなるので、食事前にチョコレートを摂取することも大切です。

食べるときの注意点

チョコレートにはカフェインも含まれているので、食べる量には注意が必要です。カフェインの明確な摂取量は日本では明示されていませんが、健康な成人の場合は400ml、妊娠中の方は200～300mlを上限としている国もあります。

カカオマス70％の高カカオチョコレートに含まれるカフェイン量を見ると、チョコレート100gに70～120mlのカフェインが含まれています。一般的な板チョコレートは1枚50～60gほどなので、1枚で30g以上のカフェインが含まれていることになるでしょう。

またコーヒーなどの飲料にもカフェインは多く含まれているため、カフェイン摂取量の上限は飲料や食品を含む数値となることにも注意が必要です。栄養成分表示を参考にして摂取量を調整しましょう。

健康への効果を目的にチョコレートを取り入れたい場合には、チョコレートの材料や添加物を確認して選ぶことも大切です。チョコレートの原料にはカカオ分以外に、口当たりや保存性のために植物性油脂や乳化剤などの添加物が含まれる商品もあります。生クリームなどの乳製品が材料に使われているものもあるので、乳製品のアレルギーがある場合にも注意が必要です。

カカオ分の配合が高くなれば栄養価も上がりますが、その分カロリーが高くなることにも注意しましょう。原材料に含まれるココアバターはカカオ豆から取り出した油脂分です。高カカオチョコレートには、普通のチョコレートの1.2～1.5倍ほどの脂質が含まれているとされています。カカオに含まれる脂肪は良質のものではありますが、食べ過ぎてカロリーを摂りすぎることがないようにしてください。

チョコレートのパッケージに表示されている原材料名の一覧には、含まれる量が多い順に原材料名が記載されています。ココアバターや添加物などを確認する目安にしてみてください。

1日の適切な摂取量

チョコレートはメインの食事ではないため、食事のバランスを考慮して摂取することが大切です。厚生労働省によると、1日の菓子・嗜好飲料の摂取量の目安は、200kcalほどとされています。市販の高カカオチョコレートのカロリーは100gにつき600kcal前後のものが多いため、高カカオチョコレートは1日30gが摂取量の上限となるでしょう。

菓子以外にもビールや日本酒などのカロリーもこれらの摂取量に含まれるので、バランスに注意しながらチョコレートを摂取してください。

チョコレートと相性の良いもの

チョコレートには美容や健康に効果のある栄養が豊富に含まれていますが、ほかの栄養素を含む食品や相性の良い食品と一緒に食べれば、健康面におけるメリットがさらに期待できます。チョコレートと組み合わせて効果を得やすい食品と効果を紹介します。

アーモンド

高カカオチョコレートの渋みある甘さとコクのあるアーモンドは、味覚の点からも相性が良い食品です。またアーモンドにはミネラルやビタミンが豊富に含まれ、とくにオレイン酸やビタミンEなどの栄養素を多く含んでいることから、スーパーフードとして注目されている食品の一つです。

アーモンドに含まれるビタミンEにはポリフェノールと同じく抗酸化作用があり、老化や美容への効果が期待できます。また食物繊維も豊富に含まれているため、整腸作用があり体内に余分な脂肪を溜め込まない特徴があります。

美肌や整腸効果があるチョコレートと組み合わせれば、さらに美容面への効果が期待できるでしょう。

フルーツ

チョコレートとフルーツの組み合わせはケーキなどのスイーツでもよく使われています。ドライフルーツとの相性も良く、ドライフルーツをトッピングしたチョコレートを見かけることもあるでしょう。

フルーツは種類ごとに含まれているビタミンの種類や食物繊維の量が異なります。例えば、バナナには髪や肌の健康を維持するために必要なビタミンB群が多く含まれ、いちごにはシミやそばかすを抑えるビタミンCが豊富に含まれています。

フルーツが持つさまざまな栄養素とチョコレートを組み合わせれば、相乗効果が期待できるでしょう。

マシュマロ

溶かしたチョコレートを絡めてチョコフォンデュにするなど、チョコレートとマシュマロもよく組み合わせて食べられることが多いでしょう。どちらも髪や肌などの美容への効果がある食品同士です。

マシュマロの主原料にはゼラチンが使われています。ゼラチンはコラーゲンから抽出されたたんぱく質で、血流を整えるなど健康への効果だけでなく肌にハリを与えて若返らせる効果など、美容への効果もあり化粧品にも使われている成分です。

チョコレートのカカオポリフェノールの抗酸化作用と併せれば、さらに美容効果が期待できます。

はちみつ

はちみつの主成分はぶどう糖や果糖です。ぶどう糖や果糖は体内で分解する必要がないので、胃への負担が少なく吸収が早いのが特徴です。またビタミン・ミネラル・アミノ酸などの栄養素も含んでいるので、運動中のドリンクなどにもよく使われています。

高カカオチョコレートは、砂糖の含有量が少ないため甘味が控えめになっています。はちみつは砂糖に比べてカロリーが低く、高カカオチョコレートの甘味が足りないと感じている場合には、はちみつを加えたドリンクと一緒に楽しむのもおすすめです。

豆乳

豆乳は生クリームと比べてカロリーが低いので、生クリームの代わりにチョコレートの材料に使うのがおすすめです。

大豆から作られている豆乳にはビタミンEが豊富に含まれ、血流を良くする働きがあります。チョコレートに含まれるカカオポリフェノールやテオブロミンにも血管を広げて血流を改善する効果があります。

寒い時期や冷え性の方は、温めた豆乳にチョコレートを加えてホットチョコレートを作れば、体内の血のめぐりが良くなり心から体を温められるでしょう。

賞味期限切れのチョコレートは食べても大丈夫？

チョコレートは水分をほとんど含まず腐りにくいため、賞味期限が長めに設定されています。傷みやすい食品には「消費期限」が設けられますが、比較的長く食べられる食品には「賞味期限」が設けられます。どちらの期限も、未開封で適切な環境で保存した場合の期限であることに注意しましょう。

冷蔵庫に入れたまま忘れていたチョコレートも、賞味期限を過ぎたらすぐに食べられなくなるわけではありません。賞味期限はおいしく食べる目安を示すものですが、期限を過ぎると劣化や安全性が低くなる可能性があるので、なるべく期限内に食べるようにしてください。

賞味期限と消費期限の違い

チョコレートは賞味期限が記載されているものもあれば、消費期限が記載されているものもあります。商品によって記載されている種類や内容が異なるので、パッケージや食品表示の欄をしっかりと確認しましょう。

賞味期限とは、食品の品質が保たれており、おいしく味わえる期間のことです。消費期限は、食品を安全に食べられる期限を指します。

賞味期限は数日過ぎてしまった場合でも味が少し落ちる程度にとどまり、健康に影響を及ぼす可能性は低いでしょう。しかし、消費期限の場合は期限そのものが安全に食べられる期間の保証であるため、期限切れのものを食べてしまうと体に悪影響を与えるかもしれません。安全と健康のためにも、両者の違いを知ったうえでチョコレートを購入することが大切です。

手元にチョコレートがある方は、パッケージに記載されている賞味期限や消費期限をしっかりと確認し、期限内に食べ切るようにしましょう。チョコレートはまとめ買いをしてストックしておきたくなる食品ですが、賞味期限や消費期限を確認し、期限内に食べ切れる量だけを購入してくださいね。

劣化しても、腐りはしない？

チョコレートは材料に水分のあるものをほとんど使用していないため、腐らないと考えられています。とくに高カカオチョコレートはカカオ以外の材料の割合が少なく腐る可能性が低いので、長期間おいしく食べられます。

しかし生チョコレートやボンボンショコラは材料に生クリームなどを使うため、保存に注意が必要です。ほかのチョコレートも保存方法が要冷蔵と記載されている場合は、材料に品質が変わりやすいものを使用している可能性があるので、冷蔵庫で保存して賞味期限内に食べ切るようにしましょう。

保管期限の目安

チョコレートの賞味期限は、一般的な板チョコレートの場合で半年～1年ほどになっています。賞味期限はメーカーや商品によって異なり、長いもので2年以上保存が可能です。

材料に生クリームを使用している生チョコレートの場合の賞味期限は短くなります。生チョコレートの場合、冷蔵庫で2週間が賞味期限ですが、冷凍保存すれば1ヶ月～半年ほど保存が可能です。食べ切れない場合には早めに冷凍しておくのをおすすめします。

どの場合も未開封で適切な環境で保存した場合においしく食べられる期限なので、暑い日に持ち歩いたり冷蔵保存を忘れたりしたものは早めに食べ切るようにしてください。

おいしさを保つ正しい保存方法

チョコレートは基本的に常温で保存しますが、季節や商品の種類によっては冷蔵や冷凍の方が適している場合があります。冷凍庫や冷蔵庫で保存していたチョコレートを食べるときは事前に取り出しておくと固まっていた脂肪分が柔らかくなり、チョコレートのくちどけのよさを楽しめますよ。

＜常温＞
チョコレートを適切に保存できる温度は、15～22℃といわれています。基本的にチョコレートは常温での保存が可能です。常温で保存する場合は、乾燥していて直射日光の当たらない涼しい場所を選びましょう。ただし、夏場は気温が上がるため、常温保存では溶けたり柔らかくなったりする可能性があります。

＜冷蔵＞
夏場で室温が高いときには、冷蔵保存が適しています。また、生チョコレートやボンボンショコラなどの水分量の多いチョコレートは常温で劣化しやすいため、季節を問わずに冷蔵庫で保管するのがおすすめです。チョコレートを冷蔵庫で保管する場合は、ほかの食材の匂いが移らないようにアルミホイルで包み、密閉できるジッパーバッグなどに入れると品質をキープしやすくなります。

＜冷凍＞
チョコレートは冷凍保存も可能ですが、凍らせることで脂肪分が固まり、食感や風味が落ちてしまう可能性があります。本来のおいしさを楽しみたい場合は、できるだけ常温や冷蔵で保存しましょう。冷凍で保存する場合は箱ごとラップで密閉してジッパーバッグに入れ、温度変化の少ない下や奥の方に入れるのがポイントです。

手作りチョコレートの場合

バレンタインデーやホワイトデーなどのイベントでは、手作りチョコレートをもらうことも多いのではないでしょうか。手作りのチョコレートは保存料を使用しないため、市販のチョコレートに比べて賞味期限が短いことに注意しましょう。

手作りのチョコレートはもらったその日のうちなどにできるだけ早く食べ切ることが好ましいですが、食べ切れない場合は冷蔵庫に入れると少し日持ちします。種類によっても保存期間が異なるので、事前に確認しておくのがおすすめです。

＜チョコレートの種類ごとの保存期間目安＞
一般的なチョコレート：4～5日間
ガナッシュ・生チョコ・トリュフ：2～4日間（要冷蔵）
ブラウニー・ガトーショコラ：4～5日間
マフィン・パウンドケーキ：3～7日間

基本的に、純粋なチョコレートに加えて生クリームを使用しているものは保存期間が短くなります。焼き菓子の場合はバターや砂糖を加えているため、純粋なチョコレートよりも少し日持ちするでしょう。

表面に白い粉がついていても食べられる？

冷蔵庫で保存していたチョコレートの表面に白いものが付いていることがありますが、それは「ブルーム現象」の可能性が高いです。

ブルーム現象は、チョコレートが高温になったときに原料のココアバターが表面に浮き上がったあと、冷えると白く固まる現象です。チョコレートは温度変化に弱いので、溶かさないように保管しましょう。もしブルーム現象が出た場合でも食べることには問題ありませんが、本来の風味は損なわれ食感も変化してしまいます。

ブルーム現象はカビと間違われることが多いですが、チョコレートは水分量が少なくカビが生えにくい食品です。しかし生チョコレートやボンボンショコラなどは水分を多く含むため、カビが発生する可能性があるので注意が必要です。