もくじ

1. たぬきうどんとは?

2. 関東と関西で異なる「たぬきうどん」の意味

3. きつねうどんも関東と関西で違う?

4. たぬきうどんの発祥と由来

5. きつねうどんの発祥と由来

6. うどん一つでわかる食文化の違い

たぬきうどんとは?

たぬきうどんとは、日本の地域によって異なる特徴を持つうどん料理です。関東や東日本では、天かすがトッピングされたうどんを「たぬきうどん」と呼びます。シンプルながらもアクセントとなる天かすが加わることで、サクサクとした食感の面白さとともに、軽やかな油の風味が加わり、多くの人々に愛されている料理の1つとなっています。

また、九州や四国では、天かすは一般にセルフサービスで提供され、「ハイカラうどん」や「かやくうどん」と呼ばれるのが普通です。このように、地域によって「たぬきうどん」は異なる名前で提供されています。旅行先などで注文する際には注意しましょう。

ちなみに、「たぬきうどん」の名称の由来にはいくつかの説が存在します。一つの説は、このうどんに具材として使われる天かす(揚げ玉)が、種(たね)がないことから「たね抜き(たねぬき)」と呼ばれ、これが転じて「たぬき」となったとされています。別の説では、たぬきうどんの色合いや見た目が、日本の伝統的な妖怪である狸を連想させることから、その名が付けられたとも言われています。

関東と関西で異なる「たぬきうどん」の意味

日本地図

「たぬきうどん」と聞いて「天かす」を想像した方はおそらく関東出身でしょう。京都を除く関西では、「たぬきうどん」は存在しません。

『広辞苑 第7版』によると、たぬきうどんは「揚げ玉と刻んだ葱を入れたうどん」、
たぬきそばは「関東で、揚げ玉と刻んだ葱とを入れたかけそば」、続きには「関西で、油揚げを入れたかけそば」と記載されています。

では、京都における「たぬきうどん」とは一体何なのか、それは短冊にした油揚げと九条ねぎの上からあんかけをかけたうどんのことを指すのです。

関東では油揚げを入れたそばを「きつねそば」と呼びますが、関西では「たぬきそば」と呼ぶため旅行の際は注意が必要です。

きつねうどんも関東と関西で違う?

短冊にした油揚げと九条葱を入れたうどん

関東と大阪では、「きつねうどん=油揚げが入ったうどん」という共通点がありますが、京都のきつねうどんは「短冊にした油揚げと九条葱を入れたうどん」のことを指します。

舞子さんやお坊さんが大きな口を開けなくても食べられるように短冊に切って、油揚げとうどんを一緒に味わえるように工夫したと言われています。

たぬきうどんの発祥と由来

天かす入りのうどん

天かす入りのうどんのことを関東では「たぬきうどん」と呼ぶのに対し、関西では「ハイカラうどん」と呼んでいます。地域によってなぜ呼び名が異なるのでしょうか。

ここからは、それぞれのうどんの発祥と由来を紹介します。

 

たぬきうどん

たぬきうどんの発祥は関東地方で、江戸時代の終わりに生まれたと言われています。

「たぬき」の由来は諸説あり、「天ぷらの具である『たね』を抜いた『たねぬき』が語源となっている」説や、「当時、イカのかき揚げをごま油で揚げていたが、衣が黒っぽくなり茶色がかった色がたぬきを連想させた」説があります。

また、世田谷区にあった「砧家(きぬたや)」のきぬたそばを逆さによんでたぬきになったとも言われていますが、確証はありません。

 

ハイカラうどん

大阪など一部の関西では、天かす入りのうどんのことを「ハイカラうどん」と呼びます。関東でいうところの「たぬきうどん」と同じ意味です。

関西では、大正時代まで天かすをうどんの具材として使わず、捨てていたため「本来捨ててしまうような天かすを入れる関東の人はハイカラだ」と皮肉を言ったのがきっかけと言われています。

きつねうどんの発祥と由来

きつねうどん

たぬきうどんの発祥が関東であるのに対し、きつねうどんの発祥は関西です。大阪におけるうどんの歴史は長く、豊臣秀吉が大阪城を築城する際から存在していたと言われています。

油揚げがうどんの具材になったのは明治26年、船場のうどん店「松葉家(現:うさみ亭マツバヤ)」でおかずとして出した油揚げを、客がうどんにのせて食べたことがきっかけです。

また、「きつね」の由来は、狐の好物が油揚げであることからきています。狐は、商売繁盛の神様である「お稲荷様」の使いで、縁起が良いことから「きつねうどん」と名付けられました。

うどん一つでわかる食文化の違い

うどんの麺

天かすがのっている「たぬきうどん」は、関東では当たり前に食べられていますが、関西には存在しません。

「たぬき」と「きつね」の名前の由来や発祥の歴史を辿ると、たぬきは関東、きつねは関西発祥であることが分かります。また、同じ関西でも大阪と京都では、「たぬきうどん」の捉え方が異なります。

旅行の際は、ぜひその土地ならではの「たぬきうどん」を試してみてください。

5PM Jounalではあらたな気付きのきっかけとなる記事をお届けしていきます。是非ご覧になってみてください。

 

参考サイト

キツネとタヌキのうどんとそばが、京都と大阪で違いすぎる!|tenki.jp

「きつね」と「たぬき」の違いって何?|グルトピッ!

関東と関西で呼び方が全然ちがう!?「たぬきうどん」のヒミツ - macaroni

きつねうどん 大阪府 | うちの郷土料理:農林水産省

地域で違う?きつねとたぬき | Hisamatsu Plus(久松プラス) - 博多久松の食へのこだわりを発信するブログメディア

三都たぬき物語