目次
1.おでんとは
2.「おでん」について深く知ろう!
3.おでんの具材を25種類ご紹介!
4.地域によっても違うおでんの特色
まとめ.お気に入りのおでんの具材を見つけてみて
おでんとは
おでんとは、煮込み料理の一種です。
現在のおでんの原型となる汁気の多い煮込みおでんが生まれたのは、明治期の東京です。それが大正期に入り、関西にも伝わりました。そのため、関西では、本来の「みそだれのおでん(田楽)」と区別するために、煮込みおでんのことを「関東煮(関東炊き)」と呼んでいます。
今でこそおでんは家庭で食べられるようになりましたが、昭和初期から昭和20年代後半までは、主に屋台やおでん専門店で食べるものでした。
「おでん」について深く知ろう!
おでんは日本全国で食べられている料理ですが、おでんの定義や歴史については知らない方も多いのではないでしょうか。おでんの具材について知る前に、まずは「おでん」について深く掘り下げてみましょう。
おでんは歴史のある郷土料理
農林水産省のホームページによると、おでんとは下記のような料理と定義されています。
“鰹節と昆布でとっただしに、さつま揚げや大根、こんにゃく、ちくわぶなどタネと呼ばれるさまざまな具材を入れて醤油などの調味料を加えて煮込んだ料理。”
おでんのルーツは、拍子木形に切った豆腐に竹串を刺して焼いた豆腐田楽とされ、その歴史は室町時代にさかのぼります。江戸時代になると、豆腐やこんにゃくに味噌を塗った「田楽」が庶民の間で普及し、ファストフード感覚で食べられていたようです。近代以降、煮込み料理として広まり、現在親しまれているおでんの形になりました。
なお、おでんという言葉は、豊穣を祈願して舞った「田楽」に由来すると言われています。もともとは宮中で使用されていた言葉で、「田楽」に「お」をつけて「お田楽」、のちに「楽」がとれて「おでん」となったとされています。拍子木形に切った豆腐の形が、田楽の舞に似ていたことから「おでん」の名前がついたのだそうです。
おでんは全国的に人気の家庭料理
明治時代から大正時代にかけておでんは全国各地に広まり、地域によって味付けや具材に変化が生まれました。味付けや具材に違いはあっても、おでんが人気の家庭料理であることは全国共通です。
株式会社紀文食品が公表している「紀文・主要7地域 家庭の鍋料理調査2023」によると、家庭の鍋料理の中で、おでんは25年連続1位となるほど人気の料理。調査対象となったすべての地域で、すき焼きやキムチ鍋よりもおでんが食べられています。また、家庭でおでんを食べる回数は1ヵ月あたり3.09回となっており、年代が高くなるほど回数が多い傾向にあることがわかりました。
なお、好きな具材の1位は大根。そのほか、たまごや餅入り巾着、はんぺんなども人気があります。
おでんの具材を29種類紹介!
おでんには肉や野菜、練り物など、さまざまな具材があります。しかし、自分でおでんを作ると、つい同じ具材ばかり入れてしまいませんか。
「おでんの具にマンネリを感じる」「定番ではない変わったおでんが食べてみたい」という方は必見です。新たなお気に入りの具材に出合えるかもしれません。使う具材を工夫すれば、栄養バランスも良くなりますよ。
定番の具材5つ
おでんには、地域を問わず「おでんといえばこれ!」という定番の具材があります。そこで、おでんに欠かせない以下の具材5つについて、具材の特徴や下ごしらえの仕方について紹介します。少しだけ手間をかけて、いつもよりおいしいおでんを食べましょう。
大根
大根は下ごしらえの有無で、仕上がりが大きく変わる具材の一つです。出汁がしっかりとしみ込んだおいしい大根に仕上げるには、4つのポイントがあります。
● 皮は厚めにむく
● 面取りをする
● 隠し包丁を入れる
● 米のとぎ汁で下茹でをする
大根は皮を厚めにむきましょう。すじが残らないため、口当たりが良くなります。
面取りをするのは、煮崩れを防ぐためです。筆者は面取りをしないで大根を煮たことがありますが、ぼろぼろに崩れてしまいました。味はしみていておいしかったのですが、料理は見た目も重要です。大根の形をきれいに残したまま仕上げるためには、ぜひ面取りをしましょう。
隠し包丁を入れたり、大根を下茹でしたりすると、味がしみ込みやすくなります。米のとぎ汁で下茹でするのは、大根のアクを和らげるため。米のとぎ汁がなければ、米を大さじ1杯程度加えると良いそうです。竹串が刺さるまで下茹でしましょう。
たまご
おでんのたまごは、しっかり煮込まれた固ゆでたまご派と、半熟たまご派に分かれます。
固ゆでたまごに仕上げたい場合、他の具材に火が通った後、最後にゆでたまごを入れて火を止め、5時間以上時間を置きましょう。おでんが冷めるときに味がしみ込み、時間とともに茶色く色づいた固ゆでたまごになります。
もし半熟に仕上げたい時は、ひと工夫しましょう。5~6分茹でた半熟たまごを作り、おでんの出汁を入れた密封袋にたまごを入れて2時間置きます。おでんを食べる前に鍋に入れて1分ほど温めれば、おいしい半熟たまごの出来上がりです。
ゆでたまごがうまくできない方は、たまごの丸い方(尖っていない方)に小さな穴をあけてから茹でてみてください。筆者はこの方法でゆでたまごを作るようになってから、きれいに殻がむけるようになりました。茹であがったら水(氷水)に入れて、その中で殻をむくのもおすすめです。
もち巾着
おでんの出汁を吸ったもち巾着、おいしいですよね。もち巾着は、10分ほど煮ると油揚げに味がしみ込み、もちが程よい柔らかさになります。
もち巾着を手作りする場合は、油揚げの上に箸を押し当てて転がしましょう。油揚げを広げやすくなり、餅がきれいに入ります。また、もち巾着をおでんの出汁に入れる前に、熱湯をかけて油抜きするのもおすすめ。余分な油が落ち、味が染みやすくなります。煮込みすぎると餅が溶けてしまうので注意しましょう。
こんにゃく
こんにゃくは火が通りにくいので、最初に火にかけるようにします。こんにゃくをおいしく食べるコツは、隠し包丁とアク抜きです。
おでんの出汁で煮る前に、下ごしらえをします。こんにゃくを食べやすい大きさに切った後、5mm幅程度の格子状に切り込みを入れます。少し切り口が荒くなってもよければ、フォークでひっかくようにして切り込みを入れても問題ありません。こんにゃくに切り込みを入れることで、味が染みやすくなります。
続いて、アク抜きをしましょう。臭みが抜けておいしく仕上がります。こんにゃくに塩を振って軽くもみ、5分ほどおいたら熱湯で2~3分茹でてください。急いでいるなら、塩でもむだけ・熱湯をかけるだけでも、ある程度のアクは抜けます。アク抜きが面倒な場合は、アク抜き不要のこんにゃくを使うと便利です。
はんぺん
はんぺんは煮すぎるとしぼんでしまい本来の旨味が損なわれるため、火を止める直前に入れるのがコツです。はんぺんが軽く温まったくらいが、ちょうど良いタイミング。
また、はんぺんは商品によって食感が異なります。ふんわりしたもの・しっかりしたものなど、製造元によってさまざまな食感が楽しめるのも魅力です。
肉系の具材5つ
おでんに肉系の具材を入れると、満腹感を得られるガッツリ系のおでんになります。おでんの出汁が肉に染みて、とてもおいしいですよね。つい何個も食べてしまう方もいるでしょう。人気の肉系具材を5つ紹介します。
牛すじ肉
牛すじ肉は、肉系の中でも特に人気が高い定番の具材です。牛すじ肉が入るだけで、おでんの鍋の中に高級感が生まれます。
牛すじの下ごしらえは、非常にシンプルです。ただし時間がかかるので、時間に余裕をもって行いましょう。
まず牛すじを水から煮始め、沸騰して1~2分経ったところで火を止めます。流水で軽く洗ったら水を張ったボウルに入れ、牛すじを丁寧に洗ってください。
次に、新しく水を張った鍋にスライスした生姜と長ネギの青い部分、酒を入れ、再び火にかけて2時間ほど煮込みます。沸騰したら弱火にし、アクが出たらその都度取り除きます。牛すじが柔らかくなれば、下ごしらえは完了です。
下ごしらえが終わったら、食べやすい大きさに切っておでんの出汁で煮ましょう。牛すじの茹で汁は、スープやカレーに使うのがおすすめ。牛のうま味がしっかり出ているので、とてもおいしく仕上がります。
豚バラ肉
鍋に水を張って酒を少々入れ、2cm幅にきった豚バラ肉を入れて火にかけます。沸騰後20分ほど経ったらザルにあけ、汚れが付いている場合は水で洗いましょう。
下茹でする時間がない場合は、最初からおでんの出汁で煮る方法もあります。鍋に他のおでんの具材と一緒に豚バラ肉を入れ、沸騰するまで強火で煮ます。どんどんアクが出てくるので、丁寧に取り除きましょう。アクが出なくなったら、弱火~中火で煮て、おでんの具材が柔らかくなれば完成です。
あっさりしたおでんに仕上げたい場合は、下茹でする方が良いでしょう。豚肉のコクを味わいたいなら、一緒に煮る方法が向いています。
ハラミ
ハラミは丁寧に下ごしらえをすることが大切です。まず、流水で汚れや血を洗い流します。次に、くすんだ色をしている脂を包丁で取り除き、繊維を断ち切るように1cm~1.5cm幅にカットします。ハラミは厚くカットすると、お子様や高齢の方には食べにくいので気をつけましょう。
カットできたら、大きめのボウルにハラミを入れ、流水をかけながら再度洗います。水の濁りがなくなるまで、しっかりと洗うのがポイント。最後にキッチンペーパーで水気を取れば、ハラミの下ごしらえは終了です。おでんの出汁の中で、じっくり煮込みましょう。ハラミはおでんの汁を吸いやすいため、しっかりと味が染みたプリプリの食感を味わえます。
ウインナー
肉の下ごしらえが面倒な方や、時短でおでんを作りたい方にはウインナーがおすすめ。そのまま鍋に入れるだけで、いい出汁がとれます。
ひと手間かけられる方は、ウインナーに包丁で斜めに切れ目を入れ、沸騰したお湯で1分ほど茹でてから調理しましょう。ウインナーの破裂を防ぎ、味が染みやすくなります。筆者もこの方法を試してみましたが、おでんの出汁がしっかりと染みて、とてもおいしかったです。見た目もきれいに仕上がりましたよ。
肉団子
肉団子は出汁の染みたジュワっとした食感が人気の具材。鶏、豚、あいびき肉など、好きな肉で作れるのも魅力です。
鶏肉を使う場合、部位によって違った味わいになります。ジューシーな肉団子にしたいなら、鶏モモ肉がおすすめです。さっぱりした肉団子にするなら、鶏ムネ肉が良いでしょう。軟骨を入れると、コリコリとした食感が際立ちます。
また、肉団子のタネを作る時は、粘り気が出るまでしっかり混ぜるのがポイント。しっかり混ぜることで、ふんわりとした食感に仕上がります。鍋に入れるときは、スプーンに油を塗ってタネを取り分けるか、手に油を塗って転がすと、きれいな形になります。
野菜系の具材5つ
おでんは、練り物や肉類、こんにゃくのイメージが強いかもしれません。しかし、以下に紹介するような野菜も、出汁との相性がぴったり。煮込むことで柔らかくなり、食べやすくておいしいおでんになります。野菜を入れることで栄養のバランスも良くなるので、ぜひ取り入れたい具材です。
キャベツ
キャベツは大きめにカットし、芯を取り除いてから鍋に入れましょう。軽くしんなりするまで煮ると、ちょうど良い歯ごたえになります。
また、キャベツを他の具材の上に被せるように入れれば、煮込んでもドロドロになりません。形はきれいなまま程よく柔らかくなり、キャベツの甘さが引き立ちます。
たけのこ
たけのこのさっぱりした味わいも、おでんの出汁にぴったりです。
皮つきのたけのこをおいしく食べるには、アク抜きがかかせません。外側を2~3枚剥いたら切り込みを入れ、米ぬかや赤唐辛子と一緒に鍋に入れて1時間ほど茹でます。火を止めたら、そのまま8時間以上冷ますのがポイントです。さらにアクが抜け、茹で汁に出てしまったうま味が、たけのこの中に戻ります。
しかし、皮つきのたけのこは手に入る時期が限られています。おでんにたけのこを使うなら、水煮が現実的でしょう。たけのこの水煮なら年間を通して手に入りやすく、軽く水洗いするだけで使えます。
れんこん
れんこんには穴が空いているので、おでんの汁がしっかり染み込んでおいしくなります。煮込みすぎず、少しシャキッとした食感が残るくらいがベストです。
れんこんは輪切りにして料理することが多いですが、おでんの場合は大きく縦半分に切って煮込んでもおいしく仕上がります。からしではなく、わさびで食べるのもおすすめです。
にんじん
にんじんは、おでんに彩りを添える食材としてよく使われます。にんじんの甘味とおでんの出汁の絶妙なバランスが、おいしさを引き立たせます。
おでんのにんじんは柔らかく、甘さが際立ってとても食べやすいのが特徴です。にんじん嫌いなお子様も、勇気を出して口に入れてみてほしいと思います。
なす
おでんのなすは、冷めてもおいしいのが特徴です。なすの煮びたしのように、とろりとした食感がたまりません。
ヘタとガクを取ったら、縦半分に大きくカットしましょう。小さすぎると他の具材の存在に埋もれてしまいます。網状に切り込みを入れ、出汁を染みやすくするのがポイントです。フライパンで一度焼いてから煮込むと、煮崩れしにくくなります。
練り物の具材5つ
練り物は、魚のうま味と食感を味わえる具材。「おでんと言えば」という定番の具材も多く、子どもにも大人気です。練り物のうま味がおでんの汁に出過ぎないように、煮込み時間は10~15分程度にとどめるのがコツです。
ちくわ
スーパーやコンビニなどでちくわを買う際は、大きくて厚みのあるものを選びましょう。パッケージに「焼ちくわ」と書かれたものが、おでん向きです。ちくわから出る魚のうま味がおでんの出汁に加わって、とてもおいしく仕上がります。
ちくわは3等分にカットした後、斜めに切ると見た目も良く、口に入れやすくなります。
がんもどき
がんもどきは潰した豆腐に、にんじんやれんこんなどを混ぜて油で揚げたもの。出汁をよく吸うので、おでんには欠かせない具材です。
がんもどきは鍋で煮込む前に、熱湯をかけて油抜きをします。余分な油が落ち、味が染みやすくなります。
また、がんもどきはフワっと柔らかいものと、豆腐がしっかり詰まったものがあるので、好みで選ぶと良いでしょう。出汁がしみ込んだフワフワのがんもどきが好きなら、柔らかいものがおすすめです。
さつま揚げ
さつま揚げは、練り物以外の食材が入っていないシンプルな具材。魚の旨味をじっくり味わえます。
さつま揚げは、油抜きしてからおでんにすると上品な味になります。油抜きをすることで出汁がよく染み込むので、面倒でも必ず行いましょう。筆者はいつも油抜きをしませんでしたが、味に違いが出ると知ってからは必ず行うようにしています。油抜きをした方が、確かにおいしく感じるのです。
ごぼう天
ごぼう天も他の練り物と同様に、油抜きをすることがおいしく食べるコツです。棒状のごぼうを練り物で巻いた「ごぼう天」もありますが、おでんの具材では千切りしたごぼうが入った平たいものが定番。しっかり煮込んでもごぼうの歯ごたえは残るので、味と食感を楽しめます。
ウインナー巻き
ウインナー巻は、ウインナーを魚のすり身で巻いたもの。さつま揚げの仲間で、子どもに人気の具材の一つです。おでんにする時はさつま揚げの部分に切り込みを入れると、汁が染み込みやすくなります。ウインナーの塩気と肉のうまみが魚のうま味と合わさって、とてもおいしいですよ。
変わり種の具材5つ
「これをおでんに入れるの?!」と驚く方もいると思いますが、実は意外と相性が良い食材があります。これまでおでんに入れようなんて思わなかったアレが、おでんの具材に大変身。誰でも一度は試したくなる変わり種の具材を紹介します。
アボカド
アボカドはトロトロの食感と出汁が合う、新感覚の具材です。
作り方はシンプルで、半分に切って種を取ったアボカドを、おでんの鍋に入れて煮込むだけ。箸やお玉でさわりすぎると崩れてしまうので、注意しましょう。また、食べやすい大きさにカットして、串にさす方法もあります。串にさす場合は、少し硬めのアボカドの方が向いています。全体的に茶色が多いおでんのなかで、アボカドのグリーンが映えること間違いなしです。
肉いなり
肉いなりは、油揚げの中にひき肉とみじん切りした野菜を詰めていなり寿司のようにしたものです。
手作りする場合は、たまねぎとにんじんをみじん切りにし、ひき肉と一緒に油揚げに詰め、つまようじで封をして煮込みます。封があまいと鍋の中に油揚げの中身が出てしまうので、しっかりと封をしましょう。ジューシーな肉いなりが好きならひき肉を多めに、あっさりした肉いなりが好きなら野菜を多めにするのがおすすめです。
手作りするのが面倒・時短で作りたい場合は、市販品を使ってもおいしくできます。
たこ焼き
たこ焼きをおでんの出汁で煮込むと、明石焼きのような味わいが楽しめ、いいアクセントになります。
他の具材を食べきった後、出汁を温めてたこ焼きを入れます。沸騰しないように気をつけながら、4~5分煮てたこ焼きに出しをしみ込ませるのがポイントです。市販のソース付きのたこ焼きを使う場合は、出汁の味が濃くなりすぎないようにソースを洗い流しておきましょう。
えび
えびは海鮮ならではのうま味が出汁にたっぷりしみ出るので、おでんのおいしさをアップしてくれる具材です。えびが固くなりすぎないよう、最後の方に入れるとちょうど良く仕上がります。えびを先に煮ておいて、おでんを食べる直前に入れるのも良いでしょう。鍋に入れる際は串打ちにすると、見た目も華やかになります。
えびの下処理が面倒なら、えびを使った具材を入れるのもおすすめ。えびを魚のすり身で包んで揚げた「海老巻」や、すりつぶした海老のすり身と山芋などを混ぜた「海老真丈(えびしんじょ)」などは、使いやすい具材です。
トマト
おでんにトマトを入れると、さっぱりとしたおでんになります。
トマトの皮は湯むきして、味を染みやすくします。トマトが煮崩れしないよう、短時間で仕上げるのがコツです。大きなトマトがなければ、ミニトマトでもかまいません。冷蔵庫で冷やして食べてもおいしいので、ぜひ試してみてください。
地域によっても違うおでんの特色
おでんは全国で食べられている人気の鍋料理ですが、地域によって味付けや具材が異なります。地域ごとのおでんの特色について紹介します。
北海道
北海道のおでんは、豪華な海の幸が入っているのが特徴です。つぶ貝やほたてなどの貝類や、ふきやわらびなどの山菜、タラの白子が入ることもあります。「マフラー」と呼ばれる四角い形の長いさつま揚げも定番です。スープがシンプルな昆布出汁なので、それぞれの具材の個性が引き立ちます。
東北
東北には「青森おでん」「仙台おでん」「秋田おでん」など、個性豊かなご当地おでんが存在します。青森おでんは、生姜入りのみそだれにつけて食べるのが特徴です。たけのこや白こんにゃくが入るのも一般的なのだとか。仙台おでんには、さんまのつみれが入ります。秋田おでんは出汁に特徴があり、「焼き干しいわし・昆布・干ししいたけ」を使った甘めの出汁を使います。
関東
関東のおでんは、昆布とかつお出汁を使った甘めのつゆが特徴です。大根やたまごなどの定番の具材に加え、はんぺんやちくわぶ、練り物が入っています。関東のご当地おでんと言えば「小田原おでん」。小田原は老舗のかまぼこ店が多く、練り物がたくさん使われているのが特徴です。小田原特産の梅を使った「梅みそ」をつけていただきます。
東海
東海地方はご当地おでんの宝庫です。八丁味噌をベースにした名古屋の「味噌おでん」は、濃厚な味わいが特徴。見た目のインパクトが大きいのが「静岡おでん」です。黒いはんぺんと真っ黒なつゆが特徴で、イワシやカツオを粉状にした「だし粉」や青のりをかけていただきます。
北陸
北陸の有名なご当地おでんは、「金沢おでん」。昆布や煮干しの出汁と甘口の醤油を使い、上品な味わいです。また、具材が華やかなのも金沢おでんの特徴。バイ貝や車麩(お麩)、がんもどきや加賀野菜など、豊富な具材が使われています。赤巻という渦巻き状の練り物は、他の地域では見られない具材です。
関西
関西で有名なのは「姫路おでん」です。濃口醤油にすった生姜を溶かしたたれをつけて食べます。京都のおでんはあっさりした味わいで、豆腐類、京野菜、ぎんなんなどヘルシーな具材が使われています。大阪ではおでんを「関東煮(かんとだき)」と呼び、具材は牛すじとたこ足が入るのが一般的。かつお出汁と醤油で煮込みます。
中国・四国
香川県では、うどん屋におでんのメニューがあることが一般的です。「高松おでん」と呼ばれ、白みそとからしなどで作るたれと、赤みそと砂糖などで作るたれをおでんにつけて食べます。高知県では、名産のかつお節と鶏手羽先で出汁をとったおでんが定番。じゃこ天やかまぼこ、じゃがいもなどの具材が使われています。
九州・沖縄
九州では、鶏出汁をベースとして、九州特有の甘いしょうゆで味付けされたおでんが一般的。博多では魚のすり身で餃子を包んだ「餃子巻」という具材がよく使われています。沖縄のおでんはかつおベースのつゆに、豚足やウインナー、青菜が入っているのだとか。薬味にマスタードを使うこともあります。
お気に入りのおでんの具材を見つけてみて
おでんの具材には定番のものから変わり種まで数多くの種類があります。地域によっておいしく食べる方法もさまざまです。下ごしらえをする・適切なタイミングで鍋に入れるなど、少し手間をかけることで、おでんはさらにおいしくなります。
肉や野菜、練り物、変わり種まで、いろいろな具材を一つの鍋で一度においしく食べられるのは、おでんならではの魅力といえるでしょう。いつもと違う具材に挑戦してみると、新たな発見があるかもしれません。たくさんの具材からお気に入りを見つけて、おでんを楽しんでください。
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参考サイト:
白ご飯.com おでんの具の下ごしらえ、おでん用だしのレシピ
紀文 よくあるお問合せ おでんを作る時、はんぺんをいつ入れたら良いのですか。