友達に話しかけるような、長田杏奈の『長田杏奈のなんかなんかコスメ』

Q1.どんな番組をやっているの?

A1:「『なんか』が口癖の美容ライターが、なんかなんか言いながらコスメや美容のトピックの話をする」というのが公式の概要。「なんかなんか」と繰り返しても大目に見てもらえるように、タイトルに入れました。最初はシンプルに化粧品の話だけしようと思いましたが、「物」の話ばかりするのが気分じゃないのと、海外から聴いてくれている人がいたので、「事」の話も入れるように意識してます。

 

意外と本の紹介が好評。2019年の10月18日にはじめて一度飽きて忘れていたのですが、Instagramにまたやってほしいとメッセージをもらい、「コロナで不安なこの時期に、1人でも楽しみにしてくれている人がいるならやろう」と2020年7月からマイペースに更新を続けています。

2019年に上梓した『美容は自尊心の筋トレ』の表紙をPodcastのページにも使用している

Q2.Podcastをはじめたきっかけと、続けるうえでのおもしろさは?

A2:『美容は自尊心の筋トレ』を出版したあと、ラジオに呼んでもらう機会があり、肉声で伝えるメディアのちょっとパーソナルで親密な感じに興味を惹かれたのと、自分が話すのが下手すぎて練習になれば(早々に上手に話すのを諦めてしまい、上達はしていない)と思って興味本位ではじめました。締め切りが終わってないのに仕事と関係ない文章を書くのは罪悪感があるけれど、話すだけなら話す時間しかかからずアウトプットとして気軽だから忙しくても続けられていると思う。

 

やってみて意外だったのが、「癒される」とか「落ち着く」という反響が多いこと。不安なご時世なので、そんな風に感じてもらえるなら続けようって、いつも友達に「今日こんなことがあってねー、このコスメのここが良かったよ!」と話しかけるつもりで配信してます。書くよりもしゃべったほうが、結構いいやつじゃんと思ってもらえるみたいで、ライターの仕事にもプラスに働いているかも。

 

Q3.どんな機材を使っているの?

A3:

・マイク「iPhone XS」

・配信アプリ「Anchor」

手軽なのと、これしか知らないから……。

Q4.どんなところで録音しているの?

A4:布団で腹ばいになって、ごろごろしながら。いつもアドリブなので、配信しながらノートパソコンやスマホで調べものすることもあります。

 

Q5.好きなPodcastの番組は?

A5:

『RuPaul What’s The Tee?』
『Getting Curious with Jonathan Van Ness』

Netflixの『ル・ポールのドラァグ・レース』と『クィア・アイ』のファンなので。ユーモアたっぷりで愛が深くて美意識が高くて、たまに少しダークでシェイディーなふたりが大好き。

 

「誰かに向かって話す口実がほしかったのかも」。haru.の『HUGっとニュースbyおハル』

Q1.どんな番組をやっているの?

A1:はじめたのは2020年4月です。ステイホーム期間真っ只中でした。もともと声を使った表現は学生時代からしていて、音のコミュニケーションにはずっと興味がありました。この番組では周りにいるアーティストや、自分の活動の裏側をゆるいおしゃべりでお伝えしたいということもあったし、当時みんなの不安がすごく大きくなっているときに、人の気配を感じられるPodcastというメディアはぴったりなんじゃないかと思って。私もずっとひとりで部屋にいたので、誰かに向かって話す口実がほしかったのかもしれません。

Q2.Podcastをはじめたきっかけと、続けるうえでのおもしろさは?

A2:私の場合、継続できていないのでなんとも言えませんが(今また復活の準備をしてます(笑))、中学時代の親友が私のPodcastを聴きながら半年ぶりに電車に乗れたと言ってくれて、その子のためだけでもいいから続けたいなと思いました。

 

声を聞いていると安心すると言ってくれる方も多くて、普段私が制作している雑誌などの表現とは全く違うコミュニケーションの可能性を感じています。今後はゲストを呼んで話すことにも挑戦したいです。

 

Q3.どんな機材を使っているの?

A3:
・マイク「iPhone」「ZOOMの録音機」
学生時代に買ったZOOMの録音機はかなり性能がいいので、冷蔵庫の音とかほんとに小さな音まで拾ってくれちゃいます。自分の部屋で録音するので逆に不便(笑)。

・配信アプリ「Anchor」

録った音声はiPhoneに入れて、「Anchor」で編集してそのまま公開。ふたりでしゃべる場合はどうやって録るのがいいんでしょう……誰か教えてください。

 

Q4.どんなところで録音しているの?

A4:普通にお部屋で収録しています。みなさんどういう感じで収録しているのかすごく気になります。

Q5.好きなPodcastの番組は?

A5:『奇奇怪怪明解辞典』

もともと友人だったMONO NO AWAREの玉置周啓とDosMonosのTaiTanがやっている番組。教室の隅のほうにいる、話したことはないけど気になるふたりのおしゃべりを盗み聞きしているような感覚になる。道路に漂うビニール袋に「街クラゲ」という名前をつける回が印象に残ってます。JAPAN PODCAST AWARDS 2020』にも参加しているそうなのでぜひ投票してください :)

瀬尾浩二郎率いる『ニューQ ラジオ』。雑誌のプロモーションのはずが哲学的命題の議論まで

Q1.どんな番組をやっているの?

A1:2019年10月14日にスタートした、新しい問いを考える哲学カルチャーマガジン『ニューQ』のPodcast。編集メンバーの瀬尾、今井、永井を中心に、ときにデザイナーや音楽ライター、哲学研究者と様々なゲストを迎えながら配信しています。日常会話の延長にある「問い」を大事に、聴いていただいた方に「一緒に考えてみたい」と思わせるような内容を意識しています。

Q2.Podcastをはじめたきっかけと、続けるうえでのおもしろさは?

A2:雑誌のプロモーションとしてはじめたつもりが、内容の紹介というよりは今気になっていることを話ながら考える形になっていました。日常の些細な気づきが、気づいたら大きな哲学的命題の議論になってしまうことも。そのようなPodcastなのですが、メールで感想をいただくこともあり、聴いていただいている方と一緒に考えているような気がしてとても楽しいです。

 

Q3.どんな機材を使っているの?

A3:
・マイク「iPhone」(オフライン時)

iPhoneのマイクで録ると、場所の空気感含めて意外といい感じに録れます。

 

・マイク「AKG LYRA」(オンライン時)

録音ツール「Zencastr」でオンライン収録するときに使っています。

 

・編集ソフト「GarageBand」

基本的に録りっぱなしであとはイントロとエンディングをつけるだけなのですが、音質の調整と編集にAppleの「GarageBand」で行っています。

 

・楽器類

毎回BGMを作っているですが、それも密かな楽しみです。

Q4.どんなところで録音しているの?

A4:最近はほとんどオンラインなので、部屋で録っています。オフラインのときは会社のオフィスで収録。空調の音を拾いやすいので注意しています。

オフィス(上)、自宅(下)の収録環境

Q5.好きなPodcastの番組は?

A5:

『Good News for Cities~都市に関する炉端談話』

都市をテーマにさまざまなトピックを話しているPodcastなのですが、関心のある領域の話が良く出るので聴いています。

 

『Quest Love Supreme』

英語の勉強のために好きなアーティストのPodcastを聴いているのですが、なかなか聞き取りが難しい(笑)。ファミレスの空間のように、適度な雑音や人の声を聞きながら作業をしたいときによく流しています。

ゆるーい映画談義で夫婦の話題が増えた『よなよなシネマ』

Q1.どんな番組をやっているの?

A1:2018年3月にスタートした、映画好きの夫婦が週末に観た映画についてゆるーく語り合う番組です。小さな子どもがいるため、自宅で観られる配信作品を取り上げることが多いです。

Q2.Podcastをはじめたきっかけと、続けるうえでのおもしろさは?

A2:夫が仕事で社内Podcastを企画しており、Podcastがどんなものか知るためにお試しで配信したのがきっかけです。夫婦共通の趣味である映画について話すことにしたら、子育て以外の話題ができました。

 

同じ映画を観てもお互いが注目しているポイントや受け止め方が違い、毎回新しい発見があります。作品から感じたことを聴いている方にどう伝えようかと考えるため、映画をより深く楽しめるようになりました。

 

Q3.どんな機材を使っているの?

A3:
・編集ソフト「GarageBand」
・TV会議用の簡易なマイク

Podcastの継続のコツはあまり頑張りすぎないことで、家にあった簡単な機材で収録し、編集なしで配信するようにしています。SoundCloudにアップロードすると、簡単にほかのPodcastサービスやspotifyにも配信できるので便利。

 

Q4.どんなところで録音しているの?

A4:自宅のダイニングテーブルです。主に子どもの寝かしつけのあとに収録しています。(子どもが赤ちゃんの頃は、夜泣きで中断してしまうこともよくありました……)

Q5.好きなPodcastの番組は?

A5:

『池袋交差点24時』

ザ・コレクターズの加藤ひさしさん、古市コータローさんがやっている番組。といっても音楽の話をするわけではなく、毎回中年男たちのダラダラとしたトークが続きます。とてもゆるくておもしろいです。

 

『Rebuild.fm』

エンジニアの宮川達彦さんがMCを務めるテック、ソフトウェア開発、ガジェットについての番組。変にショーアップされておらず、パーソナルな感じが好きです。淡々としたお話が続いたり、たまに無言になっていたりすることも。突然鋭い話になったりするのもおもしろいです。

『若者ラジオ』誕生のきっかけは「学生のうちに何かに挑戦したい」という思い

Q1.どんな番組をやっているの?

A1:株式会社ネオレア所属、2000年生まれ大学2年生の赤峰さえと、1998年生まれ大学4年生の朝比奈ひかりの2人で、毎週月曜日に更新しています。「大人が知らない若者の話」をコンセプトに、『タピオカはなんで流行ったの?』という内容や『若者のInstagramの使い方』など、若者のトレンド情報や若者の本音を発信しています。

Q2.Podcastをはじめたきっかけと、続けるうえでのおもしろさは?

A2:朝比奈が「学生のうちに何かに挑戦したい!」と現在の制作メンバーに伝えたときに、Podcastを勧められたのがきっかけです。そこから「一緒に話すならさえぴょんがいい!」となり、ふたりでの配信をスタート。

 

番組を継続するうえでは、再生回数が増えたり、「聴いたよ!」と感想をもらえたりすることが、やっぱり嬉しいです。「若者がハマる恋愛リアリティショーとは」や「虹プロ&NiziUはなぜヒットしたのか」「流行時と今のタピオカへの印象の違い」など、私たちが日常で普通にハマっていることやその理由についての話は特に人気だなと感じます。再生回数から、話すテーマを決めていくのも楽しいです。

 

Q3.どんな機材を使っているの?

A3:

・マイク「Blue Microphone」

知り合いが使っていてお勧めしてくれたマイクです。はじめの数か月はマイクを使っていなかったのですが、このマイクを導入してから音質がめちゃくちゃ上がりました!

Q4.どんなところで録音しているの?

A4:自宅の自室で録音しています。特に、Podcast用に部屋を工夫したりはしていないです。

 

Q5.好きなPodcastの番組は?

A5:『kemioの耳そうじクラブ』

kemioさんのポップで明るい感じやゲストとの話がおもしろくて毎回楽しみです。kemioさんはYouTubeもやっていますが、聞き流しながら作業できるのでPodcastをよく聴きます。

頑張りすぎず、自分にフィットした方法を見つけて

ベッドで、オフィスで、ダイニングで、スマホさえあれば今すぐPodcastをはじめられそう。ガジェット好きはマイクなどの機材を揃えてみても楽しみが増えるかもしれません。よなよなシネマさんの言うとおり「頑張りすぎない」ことがコツ。5組の回答を参考に自分にフィットした方法を見つけ、あなただけの声、あなただけの話を、世界に発信してみてはいいかがでしょう。その声が、新たなカルチャーのひとつの芽吹きになるかもしれません。

Text / Edit by 飯嶋藍子 Illustrated by 小林マキ