石。石。石。石に魅せられた私。
究極の活動「石拾い」のあとに待っているのは「石並べ」。
石自体には何も手を加えない。ありのままを楽しむ。木の板や、白い紙の上に並べたり、水に浸したりする。日の光が差した時にできる石の影までもが美しい。石の配置は奥が深く、二つの石の寄り引きだけでも印象はずいぶん変わる。色形、大きさ、光の反射の違い、並べる数。無限の可能性を感じながら一つの調和を探る。石を拾うことを祈りとするならば、石を並べることは儀式のようなものなのかもしれない。不思議で美しい、神秘の石世界を存分に味わっていただきたい。

 

十二石

十二の石を並べる。十二支。十二ヶ月。春夏秋冬。諸行無常。巡り巡って今ここに在る石に感謝する。

 

豆菓子十二石

 

木の実の十二石。

 

空の十二石。石と空は似ている。色も模様も様々だ。青空雨空曇空。雪空。朝空夕空夜空。星空。空空空。

 

ワープする十二石。

 

空想の浜

いつか見た浜は夢かもしれない。今この手にある石たちを、水の中に落としてみる。この世のどこかにありそうで、どこにもない奇跡の浜。

 

和染のような石ころたち。

 

凪の水中、石ゆらゆら。あれもこれも美しい。

 

どこか懐かしく、不思議な石。すもも、金平糖、あさり、そばぼうろ。

 

昼下がりの夢と波。

 

窓辺の宇宙

白い場に石を並べると、窓辺に広がる無限の物語。石は宇宙、宇宙は石。

 

私の窓辺は石宇宙の最果てへ。

 

石の夢を見つづけているようだ。虹色の石を探す旅。

百億光年の彼方から窓辺にワープ。石ころ小宇宙。

 

連石

大中小、赤青黄。石それぞれの趣と重力が互いに及ぼし合いながら調和していく。

 

すべすべの三連石。うぐいす、黒、薄茶。美しい。

 

星雲三連石。うねうね、もやもや、きらきら。混じり合う色彩が美しい。

 

親子たまごボーロ石

 

石の光

波打ち際で輝く瑪瑙を拾い上げる。暗闇で再び輝くこの存在は奇跡なのかもしれない。

 

何かが生まれ出そう。

 

奇跡の輝き。

 

↑暗闇を照らす一つの石。星の始まりか、生命の源か。

 

並行石世界

同じ石でも見る方向によって世界が変わる。向こうに見えるあの石はどんな世界なのだろうか。

 

バベルの塔

 

 

石世界

ひとつの石を観測する、石のための時間。まだ見つけられていない石の世界。石の表面に降り立ち散歩でもするように、心象風景と重ね合わせ味わっていく。

 

夕焼け空に凪の海のよう。淡い桃色と碧色が美しい。どこにもないこの海へ行きたい。神奈川の海の石。

 

満天の星のよう。漆黒に散りばめられた半透明の結晶が美しい。青森の海の石。

 

ミントチョコのよう。波打ち際の思い出。ペールグリーンとブラウンのマーブリングが美しい。石川の海の石。

 

遠くに光る稲妻のよう。靄がかかった渋めの碧と繊細な白線が美しい。静岡の海の石。

 

砂の惑星。心に染みる風景石。ここが何処なのかはわからない。グレージュベースに流れるブラウンが美しい。富山の海の石。
 

石並べを終えて

ふと見ると石が転がる。ある時ある瞬間に石に光が差す。思い出しては過ぎ去る石の思い出を留めておきたい。永遠に眺めていたい。
石が美しいこと、石が美しいと思えることに感謝。