日本には昔から魅力的なアイドルがいます。

また、アメリカやイギリス、最近では韓国のアイドルも人気で、よくメディアで耳にすることも増えました。

しかし、焦点を世界に広げるとより多くの魅力的なアイドルを見つけることができます。あなたの感性にフィットするアイドルが、意外な国にいるかもしれません。

この記事ではアジアを中心に、日本であまり語られていない国の女性アイドルを紹介します。

アイドルのキラキラ感、すごく憧れる!

マイクを握る女性

アイドルって素晴らしい!

アラフォーの筆者にとってリアルタイムで好きだったアイドルはWinkです。「寂しい熱帯魚」の振付は、アラフォー女子の誰もが真似をしたのではないでしょうか?

お姫様のようなソバージュに、フリフリの衣装。笑わないところもお人形さん感をアップさせていました。

また、懐メロ番組を見ると、松田聖子さんや中森明菜さんなど、昔のアイドルたちのかわいらしさに見入ってしまうことも。

ここでは、過去から現在までの日本のアイドルを振り返ってみましょう。

70年代は「プロ役者アイドル」!

  日本で「アイドル」と呼べるようなアイドルが出てきたのは、70年代です。

彼女たちの特徴は一人ひとりにキャラクターが設定され、彼女たち自身がそれを役者のように演じていたことです。当時当たり前のようにつけられていたキャッチフレーズを見ても、そのアイドルのキャラクターを端的に表したものが多くあります。

当時はもちろんインターネットはありません。また、次々と新しいアイドルがデビューしている状況です。発信ツールが少ない中、ライバルに負けることなく少しでも視聴者に印象づけるためにあらかじめアイドルのキャラクターを設定し、キャッチフレーズを付けて売り出したのです。

これは非常に合理的な売り出し方ではありますが、そのアイドル自身の本当の個性と乖離していることもありました。しかし、当時のアイドル達はその設定された個性やアイドル像を見事に演じています。

たとえば、山口百恵さん。「プレイバック part 2」で魅せた、クールで力強いまなざしは、アイドルを超えた、役者の目でしたよね。

 

1970年代の代表的なアイドルとキャッチフレーズ

名前  キャッチフレーズ               デビュー年                    
天地真理ソニーの白雪姫1971年「水色の恋」で歌手デビュー。
南沙織南の島からきたシンシア1971年「17才」で歌手デビュー。
小柳ルミ子みんなの恋人1971年「わたしの城下町」で歌手デビュー。
アグネス・チャン香港から来た妖精(真珠)1972年「ひげなしの花」で歌手デビュー。
森昌子あなたのクラスメート1972年「せんせい」で歌手デビュー。
夏木マリマグネットの女1973年「絹の靴下」で歌手として再デビュー。
山口百恵大きなソニー、大きな新人1973年「としごろ」で歌手デビュー。
桜田淳子そよ風の天使1973年「天使も夢みる」で歌手デビュー。
キャンディーズ甘いキャンディーのような女の子達1973年「あなたに夢中」で歌手デビュー。
岩崎宏美天まで響け岩崎宏美1975年「二重唱 (デュエット)」で歌手デビュー。
ピンク・レディーはじめての味覚(あじ)1976年「ペッパー警部」で歌手デビュー。
大場久美子一億人の妹1977年「あこがれ」で歌手デビュー。
榊原郁恵一億円のシンデレラ1977年「私の先生」で歌手デビュー。
石野真子100万ドルの微笑1978年「狼なんか怖くない」で歌手デビュー。

80年代、高嶺の花と普通の女の子で2極化

80年代前半は、松田聖子さんや中森明菜さんなど、ビッグアイドルが登場します。彼女たちは70年代アイドル路線を踏襲して、与えられたキャラクターを演じます。

特に松田聖子さんはその透明感のある圧倒的な歌唱力と、「聖子ちゃんカット」と呼ばれるヘアスタイル、「ぶりっこ」とも評されるかわいらしいしぐさも話題となりました。

80年代後半になってくると、状況は少し変わってきます。それは秋元康さんのプロデュースするおニャン子クラブの発足と、バラドルの台頭です。

おニャン子クラブの特徴は、何といっても女子大生など芸能人以外の女性で構成されたアイドルグループであることです。この「素人感」により、アイドルが一般人にぐっと近づきました。

また井森美幸さんや森口博子さんのようにバラエティに挑戦するアイドルも出てきて、よりアイドルはより身近になっていきました。 

 

1980年代の代表的なアイドルとキャッチフレーズ  

名前      キャッチフレーズ                    デビュー年             
松田聖子抱きしめたい! ミス・ソニー1980年「裸足の季節」で歌手デビュー。                 
柏原よしえちょっと大物、夏ひとりじめ。よしえはNo.1。1980年「No.1」で歌手デビュー。
松本伊代瞳そらすな僕の妹1981年「センチメンタル・ジャーニー」で歌手デビュー。
薬師丸ひろ子ひろ子という字何度ノートに書いたっけ1981年「セーラー服と機関銃」で歌手デビュー。
小泉今日子微笑少女。君の笑顔が好きだ1982年「私の16才」で歌手デビュー。
早見優少しだけオトナなんだ1982年「急いで!初恋」で歌手デビュー。
中森明菜ちょっとエッチな美新人娘(ミルキーっこ)1982年「スローモーション」で歌手デビュー。
松本明子アッコ、とんがってるね1983年「♂×♀×Kiss(オス・メス・キッス)」で歌手デビュー。
荻野目洋子ハートは、まっすぐ1984年「未来航海-Sailing-」で歌手デビュー。
菊池桃子It's Real Fresh 1000%1984年「青春のいじわる」で歌手デビュー。
井森美幸井森美幸16歳、まだ誰のものでもありません1985年「瞳の誓い」で歌手デビュー。
石野陽子スキッピンエンジェル1985年「テディーボーイ・ブルース」で歌手デビュー。
浅香唯フェニックスから来た少女1985年「夏少女」で歌手デビュー。
南野陽子純だね、陽子 可憐だね、陽子1985年「恥ずかしすぎて」で歌手デビュー。
森口博子よかった、君がいて1985年「水の星へ愛をこめて」で歌手デビュー。
山瀬まみ国民のおもちゃ新発売1986年「メロンのためいき」で歌手デビュー。
酒井法子おきゃんなレディ1987年「男のコになりたい」で歌手デビュー。

90年代はアイドル冬の時代。グループスタイルが定着

90年代になるとビーイング系のアーティストや小室哲也さんプロデュースの歌手が台頭し、日本の音楽シーンは盛り上がります。このころは音楽番組がとても充実し、90年代後半になると日本のCD生産量が過去最高(CDバブル)を記録しました。

しかし、それと反対にアイドルは冬の時代に突入しました。

そんな90年代には、アイドルの「グループ売り出し」が多くなります。タイプの違ったアイドルを一つのグループにすることで、ファンを取りこぼさないほか、一人ひとりの個性を引き立たせることにもつながるからです。

そのうちの一つ「モーニング娘。」はテレビ番組「ASAYAN」のオーディション企画から誕生したことから、「ファンに見守られるアイドル」だったことが画期的でした。普通の女の子がアイドルになるまでの過程をファンと共有することで、彼女たちとファンの間には一種の団結力が生まれます。

モーニング娘。は手の届きそうな普通の女の子の集まったグループである点は、80年代のおニャン子クラブと似ていますね。そして、この系譜は現在でも活躍するAKB48などに受け継がれていきます。 

 

1990年代の代表的なアイドル 

名前デビュー年                          
Coco1989年「EQUALロマンス」でデビュー。90年代に活躍。
ribbon1989年「リトル☆デイト」でデビュー。90年代に活躍。
桜っ子クラブさくら組1992年「なにがなんでも」でCDデビュー。
MAX1995年「恋するヴェルファーレダンス ~Saturday Night~」でデビュー。
モーニング娘。1998年「モーニングコーヒー」でメジャーデビュー。
太陽とシスコムーン1999年「月と太陽」でデビュー。

2000年代、アイドルは「育てる」時代に

90年代に一世を風靡したモーニング娘以降、同じハロー!プロジェクトのユニットの人気は衰えず、ソロとしても松浦亜弥さんや藤本美貴さんなどのアイドルが登場しました。彼女たちは当時活躍していた他の女性ミュージシャンや歌手に影響されることなく「アイドル」を全うしていたため、70年代のアイドルのようなプロ役者根性を垣間見ることができました。

そのあと登場したのがAKB48です。初めて彼女たちを見たときには、その人数の多さに驚いたものです。2000年代にインターネットが急速に普及したことで、人の好みも多様化していきました。そんななか、AKB48のようにさまざまな個性をもった多くのアイドルをまとめた「アイドルグループ」は理にかなっているといえます。

また、AKB48の特徴の一つが、「会いに行けるアイドル」であることです。モーニング娘。の場合、ファンはテレビ画面越しに応援していました。しかし、AKB48は専用劇場であるAKB48劇場で毎日公演をしていることから実際に会いに行くことが可能で、より親しみやすさがありました。

また、CDの購入特典には「握手会」チケットや「選抜総選挙」チケットなどがあり、ファンが直接参加して育てていく楽しみがある点も、今までのアイドルにはなかった特徴です。 

 

2000年代の代表的なアイドル

名前デビュー年                      
松浦亜弥2001年「ドッキドキ!LOVEメール」でデビュー。
藤本美貴2002年「会えない長い日曜日」で歌手デビュー。
Perfume2005年「リニアモーターガール」でメジャーデビュー。
AKB482006年「会いたかった」でメジャーデビュー。

2010年代 アイドル戦国時代!アイドルグループの多様化

2010年代になると多くのアイドルグループが作られ、アイドルグループ戦国時代となります。生き残るために、各グル―プはそれぞれの特色やストーリーを打ち出し、それによりアイドルグループの多様化が始まったのです。

例えば、AKB48と同じ秋元康さんがプロデュースしたアイドルでも、清楚なイメージの乃木坂46、メッセージ性のある歌詞が特徴の欅坂48(現櫻坂46)など異なるタイプのアイドルが登場しました。また他のグループを見ても、ひたむきなももいろクローバーや、オタク色の強いでんぱ組、本格ダンス志向のE-girlsなど、わかりやすい特徴づけがなされています。

これはある意味で、与えられた個性を演じていた1970年代への回帰とも言えます。ただし、個人の特徴を押し出していた1970年代に比べ、グループとしての特徴×メンバー個人の特徴を演じる2010年代の方が、より個性が細分化されているといえるでしょう。 

 

2010年代の代表的なアイドル 

名前デビュー年                          
ももいろクローバー2010年「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビュー。
でんぱ組.inc2010年「Kiss+kissでおわらない」でデビュー。
E-girls2011年「Celebration!」でデビュー。
乃木坂462012年「ぐるぐるカーテン」でCDデビュー。
BABYMETAL2013年「イジメ、ダメ、ゼッタイ 」でメジャーデビュー。
欅坂46(現櫻坂46)2016年「サイレントマジョリティー」でデビュー。

世界に目を向けると、もっと個性豊かなアイドルに会える!

飛行機の模型

2010年代以降、アイドルも個性の時代となりました。

現在日本国内にも多くの個性的なアイドルがいますが、もっと個性を突き詰めたいと思った私は、世界のアイドルに目を向けてみました。

そこで分かったのは、世界にも個性豊かなアイドルがいること、日本にはあまりなじみのない国であっても日本人の心に響くアイドルがいることでした。

洋楽って、結局アメリカ音楽だよね

本来「洋楽」という言葉は「邦楽」の対義語なので、海外の曲全般を指します。しかし、洋楽といえば、主にアメリカやイギリスなどの音楽を指し示していることがほとんど。

確かにレディガガやビヨンセなど、アメリカのアイドルは魅力的です。しかし、世界はこんなに広いのに、特定の国だけのアイドルを聴いているのではつまらない。私は声を大にしてそう言いたいのです。

世界のアイドルのススメ。その国らしさを見てみよう

 世界のアイドルに注目することで、その国の文化を見ることができます。アイドルはその国の人々に支持されているわけですから、その国の人々の美意識を知ることもできます。

また、そのアイドルの魅力を紐解いていくことで、その国の歴史や文化に触れることも可能です。さらに、思いがけず日本と共通する美意識を見出すこともあるでしょう。これこそ、世界のアイドルに注目する醍醐味の一つといえます。

ここからは具体的に私の好きな世界のアイドルを紹介していきます。 

イエロー(黄色人種)の美しさ再発見!モンゴルの「Kiwi」

モンゴルの「Kiwi」は、女性3人組のアイドルグループで、私が世界のアイドルにはまるきっかけともなったグループです。

最も大きな特徴は、白人(モンゴル人とのハーフ)、黄色人種(モンゴル人)、黒人(モンゴル人のハーフ)の3人組であるというところ。幼いころ、白・黒・黄色、それぞれの肌の色の美人を集めてアイドルグループにしたらいいのにと思ったことがあるのですが、Kiwiを初めて見たときそんなアイドルが本当にいるのだと感動しました。

アメリカの音楽を聴いていても、白人や黒人はかっこいいなと思うことが良くありますが、黄色人種はそれほど多く登場しません。しかし、Kiwiを聴いていると白人・黒人に加えて、私たち黄色人種の美しさを再確認することができるのです。

Kiwiは2004年のデビューから現在まで活躍するアイドルですが、2007年までは頻繁にメンバーチェンジを繰り返していました。白人のUkaと黒人のNamunaは結成当初からずっと変わりませんが、モンゴル人メンバーは2007年に現在のAgiが入る前には、Enkhzol(初代)、Khaliunaa(二代目)、Solongo(三代目)と変わっています。

 

モンゴル民族衣装が素敵「Харин би доржоодоо хайртай」

Харин би доржоодоо хайртайは日本語で「それでも妻を愛してる」という意味です。このビデオ、3人の大きな角のような髪型と頬の赤い丸が気になるところ。これはモンゴルの多数派民族(現在のモンゴル人の8割ほど)であるハルハ族の既婚女性のヘアメイクなのです。地位や権力があるほど、髪の盛り方や宝飾品も大きかったとか。

このハルハ族のヘアメイクは、映画「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」の中で、ナタリー・ポートマン演じるアミダラ女王の衣装の元ネタにもなったほど有名なものなんです。3人のモンゴル人としての誇りを感じる一曲といえます。

 

 

Kiwiと日本人を繋ぐのは「黒髪サラサラストレート」

さて、日本にはないような個性を持つKiwi。彼女たちと日本人の感性を繋ぐのは、モンゴル人メンバーの黒髪ストレートです。Kiwiではモンゴル人メンバーが3回代わっていますが、いずれのメンバーも黒髪ストレートでした。黒髪ストレートからは清楚さや清潔感、純粋さが連想されます。例えばAKB48や乃木坂46の多くのメンバーが黒髪ストレートであることから、多くの日本人に受け入れられやすい髪型の一つであることがわかります。

また、黒髪ストレートからはアジア人のアイデンティティを守りたいという強さも感じます。モデルの山口小夜子さんやPerfumeの樫野有香さんのように国際的に活躍している女性の中には、黒髪ストレートを貫く人もいます。

Kiwiのモンゴル人メンバーがどちらの意味合いでの黒髪ストレートなのかはわかりません。しかし、自分たち日本人と同じ美意識を持ったアジア人の仲間が、黒人と白人とともに輝いている姿を見て、私たちは彼女たちを応援したくなるのでしょう。 

日本の演歌にも似たアラビアンポップス。イエメンの「Arwa」

次に紹介するのはイエメンの「Arwa」。個人的にとても美しいと思うアラブ女性です。美しいだけではなくArwaは名門カイロ大学工学部を卒業した才女でもあり、現在はテレビ司会者などマルチで活躍しています。

Arwaの特徴はそのエギゾチックな見た目と、遠い異国から聞こえてくるようなエスニックな歌声です。アラビア語という聴きなれない言語であるのと、発声や歌唱方法が独特であることから日本人との親和性が低いのではと思う人もいるかもしれません。しかし、その曲調がどことなく日本の演歌に似ていて、日本人にも非常に聴きやすいのです。

 

しっとりと異国情緒たっぷりな「Marhaba」

Marhabaはしっとりとしたラブソングです。ソファーに寝そべっているArwaがとても美しいですよね。ただし、イスラム国家において恋愛はあまり好まれないためか、歌詞はかなりふわっとした普遍性のある内容です。

アラビア語(口語)には地域ごとに言語(方言)があるのですが、アラブ諸国で人気のあるArwaは、彼女が本来使用しているハドラミ語(イエメン方言)やハリージ語(湾岸諸国の方言)のほか、エジプト方言やレバノン方言でも歌うことができるのです。このように国や地域によってアラビア語の方言が分かれていることも、私はArwaを好きになってから初めて知りました。こうした学び・気づきが世界のアイドルを追う楽しみの一つなのです。

 

 

 

Arwaと日本人を繋ぐのは「エモーショナルな小節」

よくアラビアンポップスは演歌に似ていると言われますが、Arwaの歌を聴いていると、確かに遠い異国の歌のようでありながら演歌のようで、不思議な魅力を感じます。Arwaの歌と日本の演歌の共通点は、歌声が前面に出てきてエモーショナルに歌い上げる点です。曲に歌声をのせる通常のポップスと違い、まるで歌声が伴奏を率いているような印象さえ受けます。

また、小節を利かせるArwaの歌い方も日本人の心を打つポイントです。Arwaは曲の随所で小節をきかせており歌声に表情をつけ、感情を表現しています。こうした異国情緒と日本の演歌っぽさのギャップが日本人の私たちにはたまらないポイントなのでしょう。 

イギリスでも歌唱力が認められた フィリピンの「4th Impact」

最後に紹介したいのが、フィリピンの美人4人姉妹から成る「4th Impact」

イギリスのオーディション番組である「The X Factor UK」で認められたことから人気に火が付きました。フィリピンの公用語である英語で歌っていることから、今回紹介した3組のアイドルの中でも歌唱力が分かりやすいかもしれません。

フィリピン人は陽気で、歌やダンスが大好き。かつて私がフィリピンを訪れたときも、家電量販店で展示品のカラオケセットで熱唱している店員さんや、エレベータの中で聞こえるBGMでリズムを取る人などを見てそう感じました。4人を見ていると「楽しんで歌って踊っている」、そんなフィリピン人らしさを感じます。

 

ソウルフルで激しいダンスの「Unleash The Diva」

「Unleash The Diva」は2017年に発表されたR&B色の強い、ソウルフルな一曲です。このビデオを見ていると、フィリピン人女性の美意識が見えてきます。実は私、かつてフィリピンのデパートに行ったとき、コスメカウンターで「フィリピンでイケてるメイクをしたい」と相談したことがありました。そのとき店員さんにタッチアップしていただいたメイクは、このビデオにあるような、しっかりした眉に濃いめの口紅でした。

濃い目の口紅はセクシーなイメージですが、しっかりした眉は強さを感じさせます。まるで女性らしさを大切にしつつも、強く生きるフィリピン人女性らしさを体現したメイクです。フィリピン人女性は、女性の象徴でもあるロングヘアをとにかく大切にしていて、ドラッグストアにはヘアケア用品がずらり。髪が傷まないよう敢えてドライヤーを使わずケアをする人もいるほどです。またネイルサロンも街に多く、手足のおしゃれに余念がありません。

一方フィリピン人女性は英語ができることから世界中に出稼ぎに行っています。出稼ぎに行くのは男性より女性が多く、主にアジア地域を中心に家政婦や清掃員として働いています。フィリピン統計局(PSA)のデータを見てみると、2021年下半期(4‐9月)の海外で働くフィリピン人労働者の数は189万人で、うち60%となる110万人が女性であることがわかります。

異国の地で働く……私たち日本人からすると、フィリピン人女性はとても強く感じられます。力強いパフォーマンスの4人は、フィリピン人女性の女性らしさと強さの象徴に思えます。

出典:Philippine Statistics Authority | Republic of the Philippines

 

 

4th Impactと日本人を繋ぐのは「サクセスストーリーの共有」

4th Impactと日本人を繋ぐのはサクセスストーリーの共有です。4th Impactが注目されたのはイギリスの「The X Factor UK」に出演したことがきっかけです。番組でステージに上がった彼女たちは、どう見ても普通の女の子たち。出場できたことが信じられず舞い上がっている様子で審査員たちも苦笑いする始末でした。しかし一度パフォーマンスが始まると、その力強い歌声と本格的なダンスで審査員たちを驚嘆させます。

このように成功までの道のりをファンや視聴者と共有するのは、今までもモーニング娘。やAKB48でとられてきた手法です。普通の女の子がときには笑い、ときには涙を流しながらスターへの階段を上がっていく様子を見て、日本人は感動し応援します。4th Impactはそんな日本人と相性の良い海外アイドルといえます。 

自分にマッチしたアイドルはどこの国にいるかわからない!

世界には魅力的なアイドルが多くいます。

この記事で紹介したのはアジア圏のアイドルですが、南米にもアフリカにも、もちろん欧米諸国にも魅力的なアイドルはいるはずです。今はYouTubeで気軽に海外のアイドルのビデオを見ることができるようになりました。

どんどん自分の好きなアイドルを発掘して、そしてその国に関する見識を広げていきましょう!