テレビを見ていると、毎日たくさんのイケメンが出てきます。
「イケメン」という言葉は2000年前後から使われ始めました。それまでは、「男前」や「ハンサム」でしたよね。
イケメンとは「イケてる」+「メン(Menもしくは顔面や面容の面)」の2つを合体させた造語で、「イケてる」とは「かっこいい」「魅力的な」さまを表します。
「イケメン」は、外見の良さを表現するときに使用することが多いですが、スマートなふるまいや男気あふれる生き方をする男性に対して「性格イケメン」、異性をひきつける魅力的な雰囲気を持った男性には「雰囲気イケメン」のように使われることもあります。
読者の中には、巷でイケメンとされている男性にときめかないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、普通のイケメンでは満足しないあなたに、新しいイケメンジャンルである「モサい系男子」の魅力をたっぷりと解説しています。あなたのイケメンアンテナに引っ掛かかってくれたら幸いです!
ときめかないの、普通のイケメンでは
私が幼いころ、90年代初期はさわやかで甘いマスクの加勢大周さんが大ブームでした。
また、80年代はテニスの人気が高く、テニスのコーチはとにかくモテる。「理想のタイプは?」と聞かれたら、ほとんどの女性が「さわやかなスポーツマン!」と答えるような時代でした。
でも、なんだかときめかない。さわやかなスポーツマン……素敵なのは分かるけど、胸がきゅんとしないのです。
では私はどんなタイプにときめくんだろう?考えた結果行きついたのが、「モサい系男子」でした。
もしかしたら同じような人もいるかもしれませんね。価値観が多様化している現代ですから、どんな男性をイケメンとするか、その条件を他人に合わせる必要はありません。自分だけのイケメンを突き詰めてみましょう。
90年代から最近までの「イケメン」を振り返る
歴史を振り返ると、その時々に時代を代表するイケメンがいました。
しかし、この記事で紹介する「モサい系男子」は、そのいずれにも分類されません。ただ、ここで紹介するイケメンたちの系譜の延長にあることは確かです。
ここで一度、90年代から最近までのイケメンを振り返ってみましょう。
【90年代初期】男性は養ってくれる存在から同僚に
日本人女性による男性の捉え方を変えたのは、1986年施行の男女雇用機会均等法といえるでしょう。
それまでは当たり前のように男性が女性を養う時代。だからこそ男性は強さやたくましさを求められていました。芸能界にいるイケメンは圧倒的な大スターであり、日本の景気も良かったことから豪遊するきっぷのよさも魅力の一つでした。キラキラというより、ギラギラした魅力があったのです。
しかし、この法律によって、男性は女性にとって養ってくれる存在から、同僚としての存在に徐々に変化していきます。同僚にするなら、強くてたくましい男性より、女性の心を理解し話をよく聞いてくれて共感してくれる男性の方がいいですよね。
その後、追い打ちをかけるように訪れたのが、バブル崩壊。これまでのイケメン像もまた少しずつ変化していきました。
そんな90年代初期で思い浮かぶイケメンはやはり冒頭でも触れた加勢大周さん(1990年「稲村ジェーン」で主役に抜擢され俳優デビュー)でしょうか。さわやかでキラキラしていました。
また、90年代初期には、いしだ壱成さん(1992年にドラマ「悲しいほどお天気」でデビュー)や武田真治さん(1990年ドラマ「なかよし」でデビュー)のような「フェミ男」も台頭します。
彼らはどこか女性的な魅力があり、恋愛相談をすごく親身に聞いてくれるような、洋服を買うためのショッピングに嫌がらずについてきてくれ、そのうえ有益なファッションアドバイスをしてくれそうなイメージです。
ともかく、90年代の始まりとともに、イケメンの定義は、昭和時代の封建的な男性像から大きく離れた印象です。
【90年代半ば】女性がどんどん強く。癒し男子が人気?
90年代半ばに起こったキムタクブーム。
木村拓哉さんが山口智子とともに主演したロングバケーション(1996年)は、社会現象とまでいえるほどの大ブームを引き起こしました。ロングバケーションではサバサバしていてアクティブな山口智子さん演じる葉山南に、木村拓哉さん演じるシャイな瀬名秀俊が振り回されていましたね。
実際、山口智子さんは木村拓哉さんより8歳年上、役柄でも南は瀬名より7歳年上の設定。木村拓哉さんはまるで弟のように、シャイでかわいくて、母性本能くすぐる瀬名くんを演じることによって、多くの女性の心をわしづかみにしました。
男女雇用機会均等法の制定後、社会進出する強い女性が増えたことで、逆に癒しとなる男性が求められました。
瀬名くんは、そんな忙しく働く女性たちの癒しになってたのでしょうね。ロンバケ、そしてキムタクはそのような時代にマッチしたゆえにブームになったといえます。
【90年代後半】「プラスアルファを持った美しい男性」が人気
90年代後半になってもバブル崩壊の影響は色濃く残り、日本は景気後退と長期不況が続く暗いムードでした。
そんな中でとても強い光を放っていたのは、ミュージシャンたちです。特にいわゆる「ヴィジュアル系バンド」が全盛期をむかえ、人工的なまでの美しい男性が人気になりました。
80年代から90年代初期のヴィジュアル系バンドは、あくまでサブカルチャー的な位置づけでした。しかし、90年代後半には、メイクや歌詞の陰惨さも軽くなり、お茶の間を席巻します。
彼らは確かにイケメンでしたが、本職はミュージシャンです。イメージ先行のタレントとは違い、音楽というプラスアルファのあるイケメンであったことが、これまでのイケメンと一線を画するポイントです。
また、ミュージシャンはインディーズからメジャーデビュー、武道館公演や東京ドーム公演のように、分かりやすい「夢」があったことも、不景気な時代に多くの女性から受け入れられた理由かもしれません。
90年代に活躍した主なビジュアル系バンド
バンド名 | 特徴 |
LUNA SEA | 1989年結成。1992年にメジャーデビュー。繊細な河村隆一のボーカルと華やかなSUGIZOのギタープレーが特徴。各メンバーも魅力的で演奏技術も評価されている。 |
L'Arc~en~Ciel | 1991年結成、1994年デビュー。ボーカルhydeの美しさ、そしてhydeによる暗く美しい歌詞が人の心を打つ。音楽性も高く、ロック、ポップス、DTMなどさまざまな音楽が融合。 |
GLAY | 1988年結成、1994年デビュー。いわずと知れたビッグバンド。多数のヒット曲を持つ。美しいメロディとボーカルTERUの力強い歌声が特徴。メンバーの仲の良さも有名。 |
黒夢 | 1991年結成、1994年デビュー。ボーカルの清春の独特なビブラートが特徴。時代ごとにビジュアルや音楽性を進化させる。清春はファッションリーダーとしても注目される。 |
PENICILLIN | 1992年結成、1996年デビュー。「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」に使用された「ロマンス」が有名で、幅広い世代に認知された。 |
La'cryma Christi | 1991年結成、1997年デビュー。B’zの稲葉浩志を思わせるTAKAのハイトーンボーカルとプログレッシブロック寄りの重厚な音楽が特徴。演奏技術も高い。 |
FANATIC◇CRISIS | 1992年結成、1997年デビュー。この時代のヴィジュアル系バンドの中では比較的聞きやすい音楽性・親しみやすいビジュアル。ボーカル石月努のワイルドな声が特徴。 |
MALICE MIZER | 1992年結成、1997年デビュー。クラシックとロックをミックスした独自の世界観。豪華なファッションも話題に。ヘアメイクも他のビジュアル系とは一線を画していた。 |
SHAZNA | 1993年結成、1997年デビュー。ボーカルIZAMの女性以上に美しい姿が話題となり、大ブームとなる。ヴィジュアル系バンドが一般的に認知されるきっかけとなった。 |
PIERROT | 1994年結成、1998年デビュー。ボーカル・キリトのカリスマ性が特徴。幻想的でありながら、破壊的・退廃的な独特な世界観。 |
Janne Da Arc | 1996年結成、1999年デビュー。デビュー後はビジュアル色が薄くなる。卓越した演奏技術に定評がある。韓国でも作品を発表している。 |
【2000年代前半】イケメン、なおかつ面白い男性がモテる時代
ビートたけしさんや明石家さんまさん、ダウンタウンなど、2000年代以前にも女性に人気の芸人さんは多くいました。しかし、当時はイケメン扱いではなく、才能に憧れる!と言った感じでしたよね。
しかし、2000年になると、「イケメン芸人」という枠ができます。
吉本興業が「月刊誌マンスリーよしもと」の中で「吉本男前ランキング」を始めたのが2000年。それだけイケメン芸人が注目されたということなのでしょう。
確かに殿堂入りを果たしているロンドンブーツ1号2号の田村亮さんや、チュートリアルの徳井義実さん、次長課長の井上聡さんなどは俳優顔負けのイケメンです。
また、大人気グループのSMAPによる「SMAP×SMAP」も1996年から始まり、大人気番組として2016年まで続きます。SMAPが国民的アイドルグループになった理由の一つが、コントにも挑戦したことといわれています。
イケメン、なおかつ面白い。90年代後半からの「プラスアルファを持つ男性」の流れで、女性を笑いで癒せるようなイケメンが女性に支持されました。この傾向は現在も続いています。
よしもと男前ランキング(男前部門トップ5、3年連続1位は殿堂入り)
2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | |
1位 | 田村亮(ロンドンブーツ1号2号) | 田村亮(ロンドンブーツ1号2号) | 田村亮(ロンドンブーツ1号2号) | 徳井義実(チュートリアル) | 徳井義実(チュートリアル) | 徳井義実(チュートリアル) |
2位 | 石田靖 | 加藤浩次(極楽とんぼ) | 西野亮廣(キングコング) | 西野亮廣(キングコング) | 西野亮廣(キングコング) | 西野亮廣(キングコング) |
3位 | 加藤浩次(極楽とんぼ) | 菅広文(ロザン) | 井上聡(次長課長) | 菅広文(ロザン) | 井上聡(次長課長) | 井上聡(次長課長) |
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
1位 | 井上聡(次長課長) | 井上聡(次長課長) | 井上聡(次長課長) | 藤原一裕(ライセンス) | 藤原一裕(ライセンス) |
2位 | 川島明(麒麟) | 川島明(麒麟) | 藤原一裕(ライセンス) | 金田哲(はんにゃ) | 松田洋昌(ハイキングウォーキング) |
3位 | 藤森慎吾(オリエンタルラジオ) | 藤森慎吾(オリエンタルラジオ) | 川島明(麒麟) | 石田明(NON STYLE) | 村上純(しずる) |
2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2019年 | |
1位 | 藤原一裕(ライセンス) | 綾部祐二(ピース) | 綾部祐二(ピース) | 綾部祐二(ピース) | 向井慧(パンサー) | 兼近大樹(EXIT) |
2位 | 綾部祐二(ピース) | 中田敦彦(オリエンタルラジオ) | 菅広文(ロザン) | 向井慧(パンサー) | 村本大輔(ウーマンラッシュアワー) | 川西賢志郎(和牛) |
3位 | 菅広文(ロザン) | 菅広文(ロザン) | 向井慧(パンサー) | 北見寛明(当時∶ベイビーギャング) | 北見寛明(当時∶ベイビーギャング) | 河井ゆずる(アインシュタイン) |
【2000年代後半】インターネット黎明期。イケメンの多様化が始まる!
2000年代になると、急速にインターネットが普及します。特に私が注目しているのが2005という年。
この年ついに個人のインターネット普及率が70%を超えました。
インターネット普及率は2005年以前は急激に、2005年以降は緩やかに増加していますので、この年に大多数の家庭に普及したと考えてよいでしょう。確かに我が家にインターネットが導入されたのも、それくらいの時期だったなあ。
![](https://img-5pmjournal.0101.co.jp/files/user/topics_img/1/06/2%E6%9E%9A%E7%9B%AE(3).png)
出典:総務省|令和4年版 情報通信白書
これにより急速にインターネットコンテンツも充実し、2003年にはソーシャルネットワーキングのmixi、2008年には日本でもFacebookが登場します。
インターネットという新しいインフラが整ったことで、自分の意見や価値観を世界中に発信することが可能になりました。今まではテレビから個人への一方的な情報の発信のみでしたが、インターネットでさまざまな人の意見に触れるなかで、人々の好みはそれぞれにブラッシュアップされ多様化していきます。
自分の“推し”イケメンが世間一般の好みと外れていても、インターネットを通じて、同じような仲間とつながることもできます。
2010年以降になると、二次元や声優、地下アイドルなど、幅広いフィールドのイケメンが女性から支持されるようになります。
「モサい系男子」のススメ!
さて、今まで各時代のイケメンたちを紹介してきました。
インターネットのない時代は、皆が特定のイケメンを見つめていた時代です。ですからもちろんみんなの言うイケメンが好みと違うという人もいたことでしょう。
しかし、インターネット普及後は、誰もが自分の好みを発信できるようになったことで、イケメンも多様化してきました。そうした流れの中で、私が新しいイケメンジャンルとして発信したいのが、「モサい系男子」です。
かつて皆が絶賛する「さわやかなスポーツマンタイプのイケメン」にときめかなかった私。
しかし、ある日長谷川博己さん演じる金田一耕助を見てキュンとしたのです。しかし、他のドラマに出ている長谷川博己さんを見てもきゅんとしない。
そのあと、石坂浩二さんや古谷一行さんバージョンの金田一耕助を見てきゅんとしたので、私の好みは金田一耕助であると確信しました。
では、金田一耕助って何系男子?髪の毛はボサボサ、服はヨレヨレ……あっ、「モサい系男子」だ。
「モサい系男子」とは?
![タバコを吸う男性](https://img-5pmjournal.0101.co.jp/v=1693460293/files/topics/707_ext_08_9.png?width=647)
「モサい系男子」の特徴は以下のようなものがあります。
・基本的にインドア、草食系。
・スポーツなどやってなさそう。どちらかというと不健康なイメージ。
・頭がいい、推理力がある、など何かしらの特筆すべき一芸がある
・身の回りに無頓着
まるで全く新しいタイプのイケメンに思えるかもしれません。しかし、「モサい系男子」は、これまで紹介してきた歴代イケメンが持っていた魅力のうち、「母性本能をくすぐる」「一芸を持っている」という要素を含んでいます。
以下で詳しく説明していきましょう。
今まで言語化されてこなかったその魅力
「モサい系男子」の特徴を説明されてもピンとこない人もいるかもしれません。
では例を挙げてみましょう。先ほど挙げた金田一耕助以外に近い人を挙げるとしたら、ルパン三世の次元大介や、手塚治虫先生のブラックジャックでしょうか。
次元はルパン三世と行動を共にする凄腕のガンマン。射撃の腕自体が「一芸」ですよね。しかし女性嫌いを明言しており、服装もいつも同じようなスーツ。派手だったりチャラチャラはしていません。何となくいつも同じスーツを着ているようなイメージです。ヘアスタイルは長髪のオールバックですが、こだわって手入れをしているように見えません。いつも煙草を吸っており、健康的な印象は皆無です。
ブラックジャックも、手術の腕が彼の「一芸」。ファッションは黒ずくめのスーツとコート(マント)に白シャツで、こちらも女性ウケはしないでしょう。髪型はかなりモサモサしている印象で、医師(モグリですが)でありながらスポーツなどの健康的なアクティビティとは無縁です。
どちらも分かりやすいイケメンキャラではありません。
しかし、何となく彼らに心惹かれる、ときめくという女子もいるのではないでしょうか?
「モサい系男子」が今まで注目されてこなかったのはなぜか。それはそのときめきの正体が、これまで言語化されてこなかったからです。言語化されない以上、インターネットでその感覚を共有することはできません。
この記事で、ぜひ「モサい系男子」の魅力を言語化してみたいと思います。
「モサい系男子」の魅力とは?
ここからはモサい系男子の魅力について語っていきたいと思います。
「モサい系男子」は、一つのイケメンのジャンルだと私は思っています。「モサい系男子」にはこれまでのイケメンたちがもっていた、「母性本能をくすぐる」「知的」というニュアンスが受け継がれています。
髪型にファッション…母性本能がくすぐられる!
モサモサの髪、よれよれのシャツ……。「モサい系男子」には、今すぐ彼の家に行って洋服にアイロンをかけたり、食事を作ったりしたくなるような魅力があります。そう、「モサい系男子」は、女性の母性本能をくすぐるのです。何か得意なことに集中するあまり、寝食を忘れたり身だしなみがおろそかになる。だから心配で目が離せない……、まるで母親と息子のようです。
このあたりの感覚は、90年代のロンバケのときのキムタク(瀬名くん)に通ずるのかもしれませんね。いろいろお世話をしてあげたいけど、なんだか癒される、それが「モサい系男子」なのです。
モサっとした髪が寝起き感
「モサい系男子」で一番私が好きなポイントは、寝起き感のあるモサモサの髪です。
いい意味でこちらの緊張感も抜けますね。あまり床屋さんに行っていないような長めの髪で、なおかつ小奇麗にヘアセットもされていません。
モサいというと天然パーマのイメージもあるかもしれませんが、そんなことはありません。例えば棋士の羽生善治さんは綺麗なストレートヘアでしたが、あの寝ぐせがとてもチャーミングでした。羽生さんも私の中では「モサい系男子」なのです。
はだけた胸元や無精ひげがセクシー
一見草食系男子のようにも思える「モサい系男子」。でもふと見るとよれっとしたシャツの胸元がはだけていたり無精ひげがはえていたりしたら最高にセクシーです。本人が全く狙っていないセクシーさがたまりません。
無精ひげは、女性ウケが悪いイメージではありますが、反対にひげフェチもいます。ひげは男性にしか生えないので、「オス感」を感じることができます。それが一見草食系の「モサい系男子」から感じられると、そのギャップに心奪われてしまうのです!
素材感
「モサい系男子」の特徴の一つに「素材感」があります。「モサい系男子」は、おしゃれをしようとも、モテようともしていません。イケてるファッションをリサーチすることも、流行りのヘアスタイルを目指すこともありません。何もしていないのです!この余計な装飾のない「素材感」が大きな魅力となっているのです。
もしかしたら髪型を変えたり、洋服をうまくコーディネートしたら、すごくかっこよくなるのでは?とひそかに妄想して期待してしまう。そこも「モサい系男子」の魅力です。
自分だけが彼の魅力に気づいているという優越感
「モサい系男子」は、モテを意識したイケイケ男子ではありません。誰もが一目見て絶賛するようなイケメンでも無ければ、華やかでもないでしょう。しかし、先述したとおり彼らはイケメンの原石であり、磨けば光るポテンシャルを持っています。
ですから、「モサい系男子」と付き合うと、彼の魅力を知っているのは私だけ、という優越感につながります。これはもしかしたらメガネ女子が好きな男子と通ずる感覚かもしれませんね。
「がんばりすぎない」けだるい魅力
昔から学校の中で「頑張るのかっこ悪い」という風潮はなかったですか?それをビジュアルに落とし込んだのが「モサい系男子」ともいえるかもしれません。「モサい系男子」の中には、狙って「モサ系スタイル」をしている人もいますが、その「頑張りすぎない」という美学自体は共感できます。おしゃれに囚われないそのラフさがかえってスマートに感じられるのです。
またこちらにも完璧を求められなそうな安心感もあります。たとえばもし冒頭に出てきたフェミ男と付き合ったら、こちらも必死におしゃれしなければならない気がしますよね。おしゃれな男性は素敵ですが、隣にいる女性もプレッシャーです。その点「モサい系男子」は、隣にいる女性も自然体で振舞えそうです。
ミステリアスな天才肌
身なりに気を使わない「モサい系男子」。勉強や趣味・特技など、なにかに打ち込みすぎていて身なりに気が回らないのでは、というストーリーを想像してしまいます。
実は天才と呼ばれる人たちの中には、身なりに気を使わない人も多くいます。例えば、天才音楽家のベートーベンは、弟子のチェルニーに「黒い髪の毛がもじゃもじゃしている」「ロビンソンクルーソーのような服装」と評されています。髪型といい、服装といい、ベートーベンはまさしく「モサい系男子」といえますね。そして、ベートーベンは女性とのロマンスも多く、当時から「モサい系男子」が好きな女性は一定数いたことがわかります。
ほかにも、身なりに気を使わない天才といえば、江戸時代の絵師である葛飾北斎。彼は売れっ子絵師となったあとも金銭に無頓着で、着物も流行のものはまず身につけず、粗末なものを着ていました。極度の人見知りで他人に話しかけられたくないあまりに、ブツブツと呪文を唱えながら歩いていた、など天才ならではの珍エピソードに事欠きません。
何かに熱中するあまり身なりに気を使わない、というのは女性にはあまりありません。だから「モサい系男子」を理解することはできません。しかし、理解できないからこそ、ミステリアスで、ある種の天性肌っぽさを感じるのです。
あなたを虜にする?「モサい系男子」3選
![パーマの男性](https://img-5pmjournal.0101.co.jp/v=1693460293/files/topics/707_ext_08_13.png?width=647)
ここからは実際に、私が推す「モサい系イケメン男子」を紹介します。
皆さん素敵な人ばかりです!「モサい系イケメン男子」がどのような男性なのか、ぜひイメージを固めてみてください。
宮本浩次(エレファントカシマシ)
「モサい系男子」といえば、まず思い浮かべるのがエレファントカシマシの宮本浩次さん。
モサモサした髪を時折かきあげる仕草は、金田一耕助にも通じます。ファッションもいわゆるミュージシャンっぽいものではなく、モノトーンのシンプルなものが多いようです。
そして母性本能をくすぐるビジュアルにプラスして、宮本さんの才能は目を見張るものがあります。宮本さんは小学生のとき、NHK東京児童合唱団に入団していました。10歳のときにNHKみんなのうたで「はじめての僕デス」を発表していますが、小学生とは思えない歌声・表現力です。エレファントカシマシとしての活動も大好きなのですが、小さいころからまぎれもない天才少年だと感じます!
宮本さんは、ここで解説してきた「モサい系男子」の魅力がすべて当てはまる、キングオブモサい系イケメン男子です!
綾野 剛
お次に挙げられるのは、俳優の綾野剛さん。以前テレビ番組でイケメン俳優として扱われたときに、「自分は目も小さいしイケメンではありませんよ」という旨の発言をしていて、謙虚な人だなと思った記憶があります。
少し目にかかった長めの前髪、ミステリアスな眼光、次元大介のようですね。小奇麗にヘアセットをしたときより、長めの髪と無精ひげ姿の方がセクシーです。役者としてのストイックな姿勢も胸キュンポイントです。
藤井総太
最後に挙げるのは、棋士の藤井総太さんです。
少し天然パーマのかかったほわっとした髪型に、かわいらしい笑顔が母性本能をくすぐりますね。将棋を指しているときの勝負師の目とのギャップもたまりません!また、数々の最年少記録を更新していくその才能が、「モサい系男子」としての魅力をさらに光らせています。
魅力的なモサい系男子に胸キュン
モサい系男子は母性本能をくすぐる一方でミステリアスな一面もあり、私の心を掴んで離しません。
今まであらゆるジャンルのイケメンにときめかなかった私が、唯一彼らにはときめくことができました。
価値観が多様化している現代では、他の人と違っていたとしても、自分だけのイケメンを堂々と発信できるようになりました。もしかしたら人の数だけイケメンのジャンルはあるのかもしれません。
他にも新ジャンルのイケメンを発見した人、是非教えてください!ともに現代のイケメンを考察しましょう。