私はファッションが好きだ。

 

ファッションは、今の自分を作り上げてきた軸であり、自己を最大限に表現するツールだと考えている。

 

ありがたいことに現在はファッションを中心にSNS等を通じ、幅広くお仕事をさせて頂いている。

 

だが、そんな私も昔はおしゃれに全く興味がなく、今のようにハキハキものもしゃべれず自分自身が大嫌いだった。

 

常に人の目線を気にしながら他人からの評価に怯え自分自身を閉ざしていた。

 

だが、ファッションに出会って自分を表現することの楽しさを知ってから、どんどん目の前が明るくなり、今の自分が出来上がった。

 

そんな自分を作り上げてくれたファッションに欠かせないもの。

 

それは「お洋服」だ。

 

私にとって、お洋服は自分を表現するアイテムであり、ときには自分の相棒であり、味方になる。

 

お洋服はなりたい自分を表現してくれる「最強の武器」なのだ。

 

そんな私のお洋服の選び方は、2つある。

1つ目は自分が直感で「可愛い」と思うかどうか。

お洋服を探していると、時々まるで恋にでも落ちたかのように、そのお洋服1枚と出会った瞬間、目の前で体が硬直し、ラックの前で釘付けになってしまう。

 

手に取り、素材に触れ、着用し、自分の人生のワードローブにそっと取り入れるのである。
 

2つ目は、作り手の思いや考えを知り選ぶこと。

実をいうと、数年前までは1つ目のみの選び方だった。

だが、ここ数年コロナ禍もあり、お家時間が増えたことにより、お洋服の知識やブランドについて調べることがかなり増えた。

 

それにより、今まで購入してきたお洋服を作っているブランドデザイナーの思いや考え、そのお洋服への意図などを今更ながら深く知る機会となった。

 

最初は、ただ単純に感性のみで選んでいたお洋服が、それを知ることによって、より一段と愛着がわき、自己を表現する「その子」へと自分の中でランクアップするのだ。

 

この2つの選び方が自分の中で定着したのは、本当に最近。

 

だが、それによって、今まで以上に「その子」を大切に着用していきたい、と強く感じるようになった。

 

少し恥ずかしいが、この出来事は自分の中での「その子」への思いが、「恋」から、「愛」へ変わった瞬間だと考えている。

 

選ぶときは、恋を探すように選び、自分の生活の中に入れば、愛を育むかのようにその子を大切に、長く大切に、自分の人生に寄り添ってもらう。

 

お洋服1枚に大げさかもしれないが、それほど私にとってお洋服は人生そのものなのだ。

 

真っ暗だった、学生時代。

 

本来の自分を塞ぎ、自己表現を諦めていたあの瞬間。

 

「お洋服」に出会うことで人生が180度変化し、目の前が色づき、自分は自分であっていい。と実感できた瞬間。

 

新しい価値観、思い、考え、自分を知れるきっかけの宝物。

 

それが私にとってのお洋服であり、「その子」と出会うその瞬間が今はなにより楽しみなのだ。
 

プロフィール

kinoko

SNSや様々な雑誌・メディアでも中心に活動するファッションインフルエンサー。
定番アイテムをオシャレに着こなすセンスに定評があり、多くのアパレルブランドともコラボレーションなど行う。
10月には自身初の著書「好きな服だけで、おしゃれにみせる」(ポプラ社)を発刊

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