ドローンは、趣味になり、職になる。ドローンスクール東京で未来に羽ばたく【前編】

2022.08.02
都心の商業施設を中心にドローンスクールを運営する、ドローンスクール東京。ドローンスクールとはどのようなもので、そもそもドローンの魅力とは何なのか。ドローンがまだ日本に浸透していない頃から事業を展開してきた、ドローンスクール東京代表 鈴木伸彦さんにお話を伺いました。
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バリアフリーなツールとしてのドローン

―ドローンだけに集中したスクールはかなり珍しいと思うのですが、まず鈴木さんの思うドローンの魅力について教えていただけますか?

 

鈴木:「操縦自体が楽しい」「ビジネススキルになる」の2つじゃないですかね。近いものを挙げるとするなら……ラジコンよりも、実はスマートフォンとかかもしれません。遊べて、便利で、カメラもついていて。しかも新しいものがどんどん増えていくので、そのたびに機種変更のような感覚で欲しくなりますよね。実際、大手ドローンメーカーで「飛ぶスマホ」なんて表現を使っている所もあるんですよ。

 

―なるほど……「スマホ」と聞くとかなり身近に思えます。

 

鈴木:とはいえ、スマホにはない魅力ももちろんあります。イメージしやすいもので言えば、浮いているものを操縦して高いところから普段見えないものを撮影するって体験、スマホをはじめ他のツールでは味わえませんよね。人は飛べませんが、ドローンは鳥の目にもなれるし、虫の目にもなれます。

 

 

鈴木:しかも農業・点検・エンタメ・災害時など信じられないほど多くの用途がありながら、操作はどの機体にも共通しているので、空撮も点検も救助も同じ要領でできてしまうわけです。力が不要な指先一つの操縦ですから、老若男女、足がうまく使えない方もパイロットになれますし、ある意味これ以上ないバリアフリーなツールなんです。

 

―ドローンがバリアフリー、ですか。考えたこともありませんでした……

 

鈴木:また、仕事に落とし込むとわかりやすいと思うのですが、「人が出来ないことを出来る」「人がやっていることをドローンに置き換えることで効率化できる」という2点も、かけがえのないドローンの魅力です。

前者は空撮などですね。テレビやプロモーションなどの撮影ももちろん活用が広がっていますが、行方不明者捜索などは最たるもので、目視だと確認できないから上から見たいと思ったとき、ヘリコプターだと地上から300m以上離れていないといけません。人とヘリコプターの間の、全体を俯瞰できる高さからドローンのカメラで現場を見ると、人の力だけでは見えなかった遭難者に気づけたりするんです。

さらに、赤外線カメラを搭載すれば、温度の変化から生存確認まで可能となります。また、火災現場の生存者確認についても、生身だと近づくこと自体が危険ですが、ドローンなら安全にできます。警察や消防はドローン導入に向けて動き出していますしね。
 

VRによる操縦訓練も

鈴木:後者は、例えば屋根点検です。もちろん人にも出来ますが、ドローンなら屋根から落ちてけがをするなんて心配もないですし、家主さんと一緒に映像・写真を見ながら進められます。安全で確実じゃないですか。

 

―そういったドローンの強みに気づいた方が、ドローンスクール東京に通われているのですね。

 

鈴木:それが、そうとも限らないんです。受講者の方々には面白い共通点があって、皆さん「新しいもの好きで常にアンテナを張っている」んですよね。ドローンに興味があってうちを訪れる方って、ドローンだけじゃなく色々な「新しいモノ・コト」への感度が高い印象です。以前お話しした受講者の中には、「毎月新しいライセンスを取得する」ことを趣味にしていて、船舶やバイクの免許も一通り持たれている方もいました。

 

―アクティブな方が多いのでしょうか。

 

鈴木:趣味のある方にドローンはぴったりなんですよね。今までに撮れなかった画角から写真を撮りたいカメラ好きの方、旅・キャンプをしている自分自身を記録してSNSに投稿したいアウトドア好きの方……ドローンは用途が多様だからこそ、既に持っている趣味を「さらに楽しむ」ために使えるのが何よりの長所です。

ちなみに、お台場校だと受講者の8割近くが男性なのですが、最近は女性人気も高まっていて、新宿校だと女性が半数に迫る勢いです。「キャンプ女子」がブームになってきたのも理由なのかな、と思っています。

 

―年齢などは若い方の方が多いですか?

 

鈴木:そうでもありませんよ。ドローンスクール東京に来てくださる方の年齢層はかなり幅広く、15歳くらいの方から70歳以上の方までいらっしゃいます。ただ、年齢によって「受講する理由が異なる」のは事実としてあるかもしれません。

比較的高年齢の方は「趣味・退職後の相棒」として受講されるケースが多いです。お孫さんと一緒に飛ばしたい、ヨットに乗りながら空撮をしたい、など先ほどお伝えしたような「趣味をさらに楽しむ」ための手段としてのドローンですね。
 

実際に上空からドローンで撮影した湖の写真

 

鈴木:一方、若い方の多くは「活用すること」を見据えています。手に職をつけるような感覚で、将来ドローンが社会に普及したときに活用できるスキルを培う意味で受講してくださる方が多いですね。「スムーズにものを配達できない地域の家庭に、ドローンを活用して医療品を届けたいんです!」と言う大学生もいて、日本の未来は案外明るいのかもな、とつい思ってしまいました(笑)

 

ドローンの「わかりやすい社会貢献性」

―そんなドローンに鈴木さんが着目したのは、どのような経緯だったのでしょうか。

 

鈴木:前職でIT業界に身を置いているとき、ドローンを扱う企業が偶然クライアントになりまして、そこからドローンの「わかりやすい社会貢献性」に魅了されました。

例えば、災害救助で人が入れないところへと潜り込んだり、買い物に行けない足腰の不自由な方に配送を行ったり。ドローンが広まった社会を想像するだけで、ワクワクしました。そこから、自分はこの事業に骨を埋めたい、と思い半年も経たずに起業したのがドローンスクール東京です。

 

―でも、日本は海外に比べてドローンが浸透していませんよね。社会貢献できることが目に見えているのに広がらないことには、何か理由があるのでしょうか。

 

鈴木:2つあると思っていて、1つはドローンの使い方・ドローンのある暮らしを想像しきれていないことです。特に事業者が「自分たちの仕事にドローンはこう活用できるかもしれない」と思わなければ、調べようとはしませんし、ドローンが普及していくこともありません。

そしてもう1つは、今言った背景があるからこそ「ドローンがなくても仕事はあるし、生活もできる」とみんなが思っていることです。今までになかったものを生活に取り入れる「変化」への躊躇が、ドローンへの「興味」から一歩先へ踏み出せなくしていると思います。
 

スクールには、用途に応じた様々なドローンが展示されている

 

鈴木:でも、ドローンスクール東京のドローン説明会に参加するビジネスパーソンは少しずつ増えてきていて、アンテナを張っている方ほど「ああ、うちの会社ではこう使えるかもしれない」とすぐライセンス取得・事業への導入に取り組んでいる印象です。

 

―ドローンが浸透しきっていない日本でドローンを主軸にしたドローンスクール東京を立ち上げるうえでは、課題もあったのではないでしょうか。

 

鈴木:2016年に創業したとき、参考にできる企業がなかったんですよね。お客さまにとってドローンは身近ではないですし、ましてやドローンスクールなんてどこにもありませんでしたから。どうやってお客さまに知ってもらう・触れていただくかは課題でしたね。

でも、何よりも深刻な課題は、それじゃありませんでした。

 

―といいますと……?

 

鈴木:何よりの課題は、「ドローンを操縦できるインストラクターがいない」ことでした(笑)
 

 

鈴木:ドローンが浸透していないからこそ、操縦出来て、しかも人に教えることもできるなんて人の見当もつかなくて……そんな時、またしても偶然、ドローンを操縦して写真を撮っているフリーのカメラマンに出会い、頼み込んでうちのインストラクターになっていただきました。彼がいなかったらどうなっていたか……

こう振り返ってみると、僕とドローンの出会いも偶然でしたし、ドローンスクール東京かなり偶然というか「運命」みたいなものに救われ続けてきましたね。
 

Text by 5PM編集部

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ドローンスクール東京 / 国内唯一の都心型ドローンスクール
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