もくじ
決め手は植木鉢。植物愛がこだわりを止めさせない
-前編では植物との暮らしを広めるために、そのハードルを下げる工夫をしていると伺いました。他にはどのような工夫をされているのでしょうか?
髙木:実は、飾るうえで植木鉢がとても大事だと思っています。どんな植物に対しても、鉢の面積は大きい。どうしても、部屋に置いた際に目立ちます。鉢によって植物のおしゃれさが変わるんです。どんな家・部屋のテイストにも合う鉢が重要だと思い、鉢にはとことんこだわりました。
-サイト上でもミニマルでエコなプランター「ECOPOTS」を紹介していますね。
髙木:世界中から鉢を取り寄せて、最終的にベルギーの「ECOPOTS」に決めました。一番の要素はデザイン。どんな部屋のテイストでも合うカラーバリエーションがありつつ、色もちょっとくすんでいて味がある。
素材はリサイクルプラスチックと天然石の配合なのですが、石っぽい感じが出ていてチープでない。けれど、プラスチックを配合しているので軽いことも特徴です。さらに、海で回収したプラスチックを利用したリサイクルプラスチックを使用することで環境配慮もされている。この鉢しかないと感じました。
-迷ったものはなかったのですか?
髙木:デザインが似ているものはありました。画面上からでは判別も難しいものも。ですが、手に持った時の感動はECOPOTSが一番。触ってみないとわからないのですが、ちょっとサラサラしているんです。職人さんが最後は手仕上げで磨いていて、機械では出せない温もりを感じられます。家に届いた際にはぜひ鉢にも注目してみてほしいです。
-植物自体にもこだわりはあるのでしょうか?
髙木:同じ植物でも、生産者ごとに形は違います。例えば、パキラは幹をねじって仕立てているのですが、生産者によって形が違いますし、同じ人が作っていても違うものになる。一つとして同じものがないので、私たちがかっこいいと思えるものを選んで仕入れています。
-植物のかっこよさとはどのようなものでしょうか?
髙木:造形的にかっこいいか、チープに見えないかですね。もちろん人によって好みが違う世界なので、チームで意見を交わしながら選ぶようにしています。
ですが、植物は幹、枝、葉が一点一点違うものなので、サイトに掲載している商品画像と全く同じものをお届けすることは難しいです。なので、ユーザーの方に商品をお届けする前に写真を送るようにしています。僕らがかっこいいと思えるものを仕入れているのは前提ですが、その微妙な違いも愛してもらえたらと思っていて。
-髙木さん自身は特にどの部分に惹かれるのでしょうか?
髙木:植物によって見ているポイントは違うのですが、例えばオリーブだと幹ですね。AND PLANTSで仕入れているオリーブは幹が太いことが特徴。このくらいちゃんとした木になるにはとても時間がかかります。それでも、僕らは幹が太い方がかっこいいと思うので敢えてこれを選んでいます。
これは僕の感じ方ですが、力強い幹を見るとエネルギーをもらえます。生き物としての力強さやそのたくましさから元気をもらえる気がするんです。
植物とのスローライフが心の余裕をもたらす
-植物のある生活は変化を感じられて元気がもらえると前編でも話していましたね。
髙木:そうですね。やはり植物は生きているので、葉の青々しい感じや、花が咲いたときに生命力を感じられて、元気がもらえます。植物を部屋に置いてみたい人は多いはずです。僕らはそのハードルを下げるためにサービスを拡張していきたいと考えています。
-今後、AND PLANTSとしてどのようなことを実現されますか?
髙木:商品の拡充と、パーソナライズ診断機能の改良です。まず、商品でいうと、もう少し小さいサイズと、逆にもっと大きいサイズの商品を増やしていきたいと思っています。小さめの商品は、ビギナーの方向けにより手軽に始められるサイズ感や金額で提供できるように。
大きめの商品は、今の商品でも140cm~150㎝の高さがある植物はあるのですが、2mくらい大きいものも商品化してみようかなと。これはシンボルツリーのようなもので、一家に象徴を置きたいような方々におすすめしていきたいですね。
-パーソナライズ診断はどうでしょうか?
髙木:いまの質問に加えて、例えば床の色などを含めてその部屋のスタイルに合わせて提案できるようにしていきたいと思っています。よりその人にあった植物の提案ができるようになることで、植物との出会いを増やしていきます。
また、診断の他にも、プレイリストなどのコンテンツを増やしいくことで、植物との暮らしをより楽しめるようにしていきたいです。
-植物との暮らしをする人が増えることで世の中はどう変わっていくと考えられていますか?
髙木:実はAND PLANTSは、僕がなぜ植物が好きなのか、植物のある暮らしの何が素敵なのかを深く言語化する前に、植物が大好きという情熱からスタートしました。その後、初めは興味がなかったメンバーが植物のある暮らしにはまっていく姿を見て、やっぱり植物との暮らしは良いものだなと改めて気づかされたんですよね。
家にいる時間が長くなる時代の中で、殺風景な普通のお部屋であっても、動きが生まれ、その変化を楽しめる。自分のお世話がゆっくり変化として返ってくることで、ある意味自分が認められるような感覚も覚える。そのゆったりとした時間のサイクルは心に余裕を生んでくれると思っています。
心に余裕を持てる人が増えていくということが植物との暮らしが広まった先の光景なのかもしれません。
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